昼食後、雨がやんだ。
いや少なくとも、カッパを着なくてもイケルほどまで弱まった。
これは期待が持てた。
霧はまだあったが。
現地係員の女性が天候を鑑み交渉してくれて、周るのを午前から午後に変更してもらった、このあと行く2コースこそ、ココに来る観光客のおそらく全員が想像するだろう"マチュピチュ"の姿を観られる唯一のコースだった。
最初に斜面を登り、上からマチュピチュ遺跡を見下ろす。
入場ゲートは一番左。
人気があるし、そもそも斜面を行くから動きが遅くなりがちで、他のコースと比べると入口から列が混んでいる。
我がツアーのメンバーは年配の方が多かったので、皆、無理せずゆっくり斜面を登って行った。
時折肩を大きく動かして、ハーアッハーアッと苦しそうに呼吸を整えていた方がいらっしゃったが、それでも誰も弱音を吐かず登り続けた。だって…
ココまで来たんだもの。
みんな見たくて、マチュピチュ見たくて、はるばるココまで来たんだもん、斜面如きは屁の河童、なんのその、さ。
そうしたら、
晴れたのだ、霧が。
そして、
バッチリ見えたのだ、"あの"マチュピチュが。
『キターーーーッ』って思ったこの時は。
『俺たちゃモッテル!』って思った、この時は。
午前だけで帰った人々は、この光景を見られなかった人が多かったに違いない。
そしてこの後も、ずっと霧が晴れていたわけではない。またサーっと出てきて、ワイナピチュの山やマチュピチュ遺跡は、しょっちゅう霧の中に消えて見えなくなった。また、雨も降ったりやんだりを繰り返した。
"あのマチュピチュ"の姿を眺めていられる間は、俺はただひたすら眺めていた。写真も沢山撮った。
俺はついに来たんだな
ココにいるんだな
いるぜオイ
来たぜマチュピチュ
ウオオオオオ
俺の、世界で一番行きたい場所だったのだ、長年、マチュピチュが。



