師走寒波 | 10go9

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近年はずいぶん暖かくなったけど、

暖房器具の無かった昔、

正月は寒いものだと相場が決まっていた。

 

冬は山また山の、そのまた彼方の、北壁の山から下りてくる。

近隣の山々に隠れて、その北壁の山は里からは見えなかった。

その昔、古里は『陸の孤島』だと呼ばれていた。

子供の頃は、四季折々、巡り来る季節そのものが神秘的だった。

 

やがてその田舎にも、開発の波が押し寄せ、

かって赤松の台地だった高台に、ダムの水が上がり、水田が開け、

やがて高速道路が走り、大学が誘致され、京阪神からの利便性もあって、

かっての『陸の孤島』は、

今では『ゴルフ銀座』などと、呼ばれる始末。

 

昔は近景の山々に隠れ、神秘的にその北壁を中々見せつけてくれなかった『笠形』や『千ヶ峰』も、

今では、一寸高台に上がれば、

山容も荒々しく、今、師走寒波の到来を告げている。