お盆は、一人。
生涯独身だから、それを覚悟した。
兵庫、ド田舎、古希、独居老人。
こんな手筈じゃなかったのに・・・。
成るか! 成らんか? まだ見えてこないのが人生の行き着く先。
田舎は、蝉時雨と石畳に沁みる線香の香と、灼熱地獄。
今日は祖先の霊が帰ってくるという、盂蘭盆会。
過去世、現世、未来世、
御仏の命は、永遠に・・・。
・・・とは、云うけれど、
もう一つしっくり行かないのが、我が命。(笑)
夢と現実の間には、もう一つしっくりいかない奇妙な違和感があって、
しくじったかな? と思っていたら、
お盆に一人じゃ、寂しかろう! と、
歳の離れた若い奴が、画集を抱えてやって来た。
アルコール党ではないが、昭和年代、
アンクルトリスという、愛くるしくてほのぼのとした小父さんキャラのイラストが一世を風靡した。
彼が抱えてきたのは、洋酒天国のアンクルトリス、その絵の生みの親、イラストレーターの柳原良平さんの画集だった。
「この小父さんキャラ、いいね!」
画集を持って来た彼とは40才以上もの年の開きがあった。
彼もまたイラストレーター志望の若者だった。
彼も奇特な子で、年配小父さんが好きなようであった。
それは、好都合。
彼とはトランプの七並べよろしく向き合って、
昭和年代、よもや話、人生談義、寝物語で、夜が更けた。
彼と向き合っていると、
最初曖昧で、ボンヤリとした言語化以前の不明確な感情が、新しく意味を持って人格化した身体的感覚となって、心地良く迫ってくるのを感じた。
何か創造性というか、自分の中にも意味あるキャラクターが芽生えてくるのを感じた。そう硬直して考えるのではなくて、もっと人生を遊戯感覚で楽しめば・・・。♪♪♪
その夜更け、裸寝の彼を抱き寄せた。
ほのぼのとした連帯感とでも云おうか、
自分の中で化学変化が起こり、生まれて初めて、
自分自身のための運命的な若いキャラクターに出会えたかな? と、思った。

