♪ アカシアの・・・ | 10go9

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雨が降っている。

靄り煙った散歩道に、甘酸っぱくて強い芳香。

白い花房を一杯付けた樹木を見上げて、

「あれ、何の木?」

「ニセアカシアやと思う」

相棒が云う。これには驚いた。

「ええッ! これが歌に歌われたアカシアの木か?」

 

 

その時、自分はまだ二十歳前後、もう半世紀以上も前の話。

時代は上向き登り坂。大衆消費の高度成長期。

その時もしかして、若者たちは社会機構の歯車、鋳型に組み込まれ、自由を奪われ、個性を封じ込められ、疲弊していたのかも・・。

何ともやるせなく、廃頽的な歌が流行った。

 

 

それが西田佐知子の歌う『アカシアの雨が止むとき』と、

石原裕次郎が歌う『赤いハンカチ』

歌い込まれているのは、アカシアの雨と、アカシアの木の下。

相棒は竹馬の友。

その話を振ったら、

「しかし、これはニセアカシアと云うからのう・・?」

 

 

帰ってきてネットで調べてみた。

明治に外来種として輸入された当初は、このニセアカシアをアカシアと呼んでいたらしい。後に本物のアカシアが登場したため、先輩格のこの外来種を、区別するためにニセアカシアと名を改められたらしい。

でもいまだに混同されているようだ。

 

 

因みに、

西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』も、

石原裕次郎の『赤いハンカチ』も

北原白秋の『この道』の、アカシアの花も、

すべてこのニセアカシアが、歌い込まれていると云うことだった。

 

 

遅すぎる。

その真実を知ったのは、74歳にしてやっと。

雨が降っている。

甘酸っぱくて、咽せるような芳香だった。

   ♪ アカシアの雨がやむとき このまま死んでしまいたい

「何となくやるせなくて、退廃的なこんな、歌がよう流行ったなぁ~」

すると、相棒が云った。

何と言ったと思う?

「お前が死んだら、弔辞読んだろ!」

 

 

余計な、お世話だ!! (笑)

 

 

相棒とは兵庫50選をよく歩いた。

天気がよければこの高台から、笠形、千ヶ峰の播州の山々がよく見える。