もう心は、ボロボロ、青春の落ち武者。
もう何もかもかなぐり捨てて、自分そのものも捨てて・・。
小さな殻も壊して・・、元々守るべき自分なんて、あったか、どうか・・。
何かを変革し、真価に目覚めるためにも・・、
目指すは、東京正生学院。
当時の都営バス。
丸の内北口 ー 大手町 ー 神保町 ー 水道橋 ー 飯田橋駅 ー
神楽坂 ー 牛込天神 ー 榎町
そして、早稲田南町
一寸都心から離れて、その早稲田通りを一寸入った一角に、
住宅に紛れて、四面を道路に囲まれて、
東京正生学院。
その風変わりな学院が突っ立っていた。
本館は四階建てのビル。
その周りに体育館のような講堂と、二階建ての木造校舎風な建物と、その裏に、庭付きの院長私邸があるようだった。
東京正生学院は、ドモリやノイローゼに悩む若者たち救済のために、
院長個人が苦心惨憺、私財を投げ売って設立させた学校である。
それがために院長独自の自主性と自発性を基盤として、
特定の教育方針に囚われず、自由奔放に、
ドモリとノイローゼの若者たちを治すことを目的として、発展してきた民間教育機関だということである。
教育機関としては、奇妙と云えば、奇妙。風変わりと云えば、風変わり。尋常でないと云えば、尋常で無い。
風変わりな学院である。
似ていると、思った!
天変地異、
黒船来航!
幕末動乱、江戸末期。
優れた師を求めて、
遠路はるばる、国事に奔走する幕末維新の青春群像。
似ていると思った。
自分の居場所、生存オプションを求めて、奇妙の青春群像、
東京正生学院は、風変わりな学院。
何か時代がかった、昔風な私塾の匂いがした。