富嶽百景 (7) | 10go9

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戦争を知らないが、敗戦一年前の生まれである。

壊滅からの復興へ。

それが自分の生育史と重なっている。

 

 

扁額に、襖絵に、

カレンダーに、そして唱歌にと、

幼少期から、生育史に寄り添い、

けなげに、すっくと立っている富士は、美しかった。

貧しくとも、アイデンティティーは日本人。

 

 

その少年が高校生になって、

おやっ?

と思った。

 

 

ただ、読んでいるだけなのに・・、

読むって、そういうことなのかもしれないが・・・。

 

 

そのタイミング、その捉え方というのか、

この時空感覚の、旨さ、というか、

空気の読み方、というか、

それに驚いた!!

 

 

アイデンティティー、その根幹をなす富士が、

いい時空感覚をともなって、面白可笑しく登場してきたからだ。

人道的で、しかも適度な距離感覚を保ちつつも、

すごい親近感と、リアリティーをともなって、

迫ってきたのには、驚いた。

もう、カルチャーショックと言っていい。

 

 

読んだのは、太宰治の『富嶽百景』

一体、この時空って、何だろう?

この物の見方って、言うか、

物の考え方というか、

この空気の読み方って、一体、何だろう?

そして、本当のところ、

自分の運命を左右しかねない、この不思議な時空感覚、

そして、この可笑しな物の見方って、一体何なのか?

 

 

事、自分自身に関して言えば、

もし、自分が居なければ、

この世を認知する存在が,何処にもない・・、はずなのに・・、

自分が居るからこそ、この世を認知出来ているのに・・・。

 

 

思い、戸惑い、迷っている矢先に、

何か,世の中っていうか、人生というか、その空気の読み方っていうか、

太宰治に、

違いのわかる大人を、すごく意識した。

 

 

あの頃は、純情だった。(笑)

今でも、その聖地を犯したくない気もあるし・・。

いきなり、その聖地、

御坂峠の天下茶屋に、行ったり何ぞは、しない!

 

 

 

でも、もう老骨、昭和の遺物、シーラカンス。(笑)

自分は今、レンタカーを借りて、河口湖周辺にいる。

もう射程圏内と言っていい。

時間的制約もある。気象条件だって気もになる。

もう、そろそろ、いい頃だと思う。(笑)

 

 

自分は、その聖地、

御坂峠の天下茶屋、

その御坂みちに、今、大きく舵を切った。