寝物語と添い寝した遍路道 | 10go9

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「爺ちゃん、来ると思ってた!」

それにしても、

話が旨く出来過ぎている。

桂浜で、出会えてしまった奇跡。

射程距離30分以内で爺々の居場所突き止めて、伝言託した彼奴。

「何で、爺々が桂浜に居ること、分かったン?」

 


「ボクはですね、爺ちゃんと違って身だしなみいいから、モテるンですよ」

モテ男、得意そう。確かに身だしなみはいい!

「昨日は昨日で、お接待で野市の小母さん家に泊めて頂き、竜馬歴史館にも案内して頂きました」

黙って聞いててやると、

「そして今日は今日で、車お接待の車の中から、浦戸大橋、喘ぎ喘ぎ歩いている爺ちゃんを見掛け、気持ち良く、追い抜かせて頂きました!」

彼奴、楽しそうに朗らかに独演会。

これじゃ、まるで乞食と貴公子じゃないか。爺々憮然として、

「ああ、そう言うコト?・・・。」

 


「待っててくれると思ったのに・・・」

「お前と分かってたら、待ってたよ。ここ、土佐高知の桂浜だよ! あんな変な伝言拾うても・・」

「ボク、先ほどまで桂浜の竜馬記念館、観てました。竜馬はすごい!!」

目を輝かせている。その紅潮した顔。

その高揚感、何か、ほんのりと花明かり。

彼奴はまだ若い快男児。

なるほど彼奴は抹香臭い遍路道に、花吹雪。(笑)

 


その花吹雪が言った。

「爺ちゃん、今晩のお宿は、何処する?」

 


一人歩きの遍路道。

夢と同衾するのもわるくない。

四国の山河と同衾するのもわるくない。

でも、これって、

乞食と貴公子、か?

桂浜で拾った若い男の子と同衾するのも、

わるくはい。(笑)

 


その夜の民宿、遍路宿。

入浴すまして、部屋は相部屋、寝床の準備。

花吹雪が二つ並べて敷いてくれた、男の寝床。

「・・・・・・」(笑)

「何ですか?」

二つ並べて敷いた寝床がすでに完全に同衾してる。(笑)

「・・? くっついちゃってますね」

「・・何かで読んだことがある。こういう敷方って、男同士の・・」(笑)

「ええッ! ホントですか!! 知らなかった。ボク、ホテルでバイトしたことあるけど!」

「こうなったら、もう、一緒に寝ようか~!」(笑)

「やば!! それボクが女の子に言う言葉ですよ!」

慌てて布団を引き離し、真ん中に歩き遍路の七つ道具のロープ、引っ張って、

濡れタオル干す花吹雪。

 








「完璧に防御したな!」

「爺ちゃん、そっちの人なの」

「そうだよ!」

「やば!! このロープからこっちは、絶対に駄目ですよ!!」

「了解!!」 (笑)

 

 

人生は、何処で何が待ってるか、誰にもわからない。

その夜更けまで、

人生談義、夢物語、寝物語。

因縁、合縁、夢、奇縁。

 

 

その深夜、ドタン! バタン! 

境界線も、何のその、

健康体が、すごい風圧残して重なってきて、

あのイケメン、あの女好きの王子さんが、

あんない寝相のわるい奴だとは思わなかった。



人生は、全く想定外!

何処で何が起こるかわからない。

何処で、何と同衾するかわからない。

爺々、運がいい!! (笑)