「爺ちゃん、来ると思ってた!」
それにしても、
話が旨く出来過ぎている。
桂浜で、出会えてしまった奇跡。
射程距離30分以内で爺々の居場所突き止めて、伝言託した彼奴。
「何で、爺々が桂浜に居ること、分かったン?」
「ボクはですね、爺ちゃんと違って身だしなみいいから、モテるンですよ」
モテ男、得意そう。確かに身だしなみはいい!
「昨日は昨日で、お接待で野市の小母さん家に泊めて頂き、竜馬歴史館にも案内して頂きました」
黙って聞いててやると、
「そして今日は今日で、車お接待の車の中から、浦戸大橋、喘ぎ喘ぎ歩いている爺ちゃんを見掛け、気持ち良く、追い抜かせて頂きました!」
彼奴、楽しそうに朗らかに独演会。
これじゃ、まるで乞食と貴公子じゃないか。爺々憮然として、
「ああ、そう言うコト?・・・。」
「待っててくれると思ったのに・・・」
「お前と分かってたら、待ってたよ。ここ、土佐高知の桂浜だよ! あんな変な伝言拾うても・・」
「ボク、先ほどまで桂浜の竜馬記念館、観てました。竜馬はすごい!!」
目を輝かせている。その紅潮した顔。
その高揚感、何か、ほんのりと花明かり。
彼奴はまだ若い快男児。
なるほど彼奴は抹香臭い遍路道に、花吹雪。(笑)
その花吹雪が言った。
「爺ちゃん、今晩のお宿は、何処する?」
一人歩きの遍路道。
夢と同衾するのもわるくない。
四国の山河と同衾するのもわるくない。
でも、これって、
乞食と貴公子、か?
桂浜で拾った若い男の子と同衾するのも、
わるくはい。(笑)
その夜の民宿、遍路宿。
入浴すまして、部屋は相部屋、寝床の準備。
花吹雪が二つ並べて敷いてくれた、男の寝床。
「・・・・・・」(笑)
「何ですか?」
二つ並べて敷いた寝床がすでに完全に同衾してる。(笑)
「・・? くっついちゃってますね」
「・・何かで読んだことがある。こういう敷方って、男同士の・・」(笑)
「ええッ! ホントですか!! 知らなかった。ボク、ホテルでバイトしたことあるけど!」
「こうなったら、もう、一緒に寝ようか~!」(笑)
「やば!! それボクが女の子に言う言葉ですよ!」
慌てて布団を引き離し、真ん中に歩き遍路の七つ道具のロープ、引っ張って、
濡れタオル干す花吹雪。
「完璧に防御したな!」
「爺ちゃん、そっちの人なの」
「そうだよ!」
「やば!! このロープからこっちは、絶対に駄目ですよ!!」
「了解!!」 (笑)
人生は、何処で何が待ってるか、誰にもわからない。
その夜更けまで、
人生談義、夢物語、寝物語。
因縁、合縁、夢、奇縁。
その深夜、ドタン! バタン!
境界線も、何のその、
健康体が、すごい風圧残して重なってきて、
あのイケメン、あの女好きの王子さんが、
あんない寝相のわるい奴だとは思わなかった。
人生は、全く想定外!
何処で何が起こるかわからない。
何処で、何と同衾するかわからない。
爺々、運がいい!! (笑)

