腕が上がらない。
阿蘇で滑ってから覇気がない。
燻らしたコーヒーカップを持ち上げようにも、大儀である。
もう老人のようだ。
元々古希を過ぎた老人のくせに、老人と思っていなかった。(笑)
かくてなほ ありと知られし 高砂の
松の思わむ ことも恥ずかし
いかに名木と言えども、枯れるほど長生きするのも恥ずかしいという、
この古歌の気持ちがよく分かる。(笑)
本来無東西 (本来、東西なく)
何処有南北 (何処にか、南北あらん)
お説、ごもっとも。
旨いこと、言いいやがる!
日だまりの書斎でコーヒーを燻らせながら、
そこが、何処だったのか、
もう思い出せない。
飢えては困る。かと言って、重すぎても、困る。
歩き遍路の買い出しも、その匙加減が、これでなかなか難しい。
その夕暮れ時、折良く見つかったスーパーに飛び込んでみた。
店内の賑わい。
行き交う買い物客。
溢れた食品の山。
そのありふれた光景、その日常がまるでお伽の国のように、輝いて見えた。
刻一刻、日暮れが迫っている。
さて、今日はどうなることやら、日暮れの遍路道。
まだねぐらも決まっていない。
その時思い知らされた。
このスーパーに流れている時間は、至福のひとときで、
ここで買い物をする人々はお伽の国の人々なのだ、と。
自分はこの場に相伴出来ない部外者なのだ。と。
あれから、もう何年になるか?
スーパーにもよく買い物に行くが、
変哲もない日常、別段、嬉しくもない! (笑)
脇の小机の中の、ガラクタ箱をぶちまけて、
ほじくり出して、探し当てた古いレシート。
巻き寿司 ¥ 336
(30%引き) (-101)
焼きそば ¥ 242
(30%引き) (-73)
玉子パン ¥ 249
あの過酷な遍路道。
決断と実行と、苦境と逆境の背中合わせ。
なんか、何処か、遠い国の、
過ぎた戦の手柄話に、似ている。(笑)
まだまだやり残した仕事が残っている!
このまま、くたばってなるものか!!
ここで死んだら、
爺々、犬死にではないか!! (笑)
もう後、残り時間はわずか。(笑)
今日再不来!
今日を最後と思い、今日一日に、
最善を尽くすしかない。