遍路道、延々1200キロ。
札所間、もっとも離れているところで、約80キロ。
車なら2時間。でも歩きとなると、二泊三日。
「金、ヒマ、体力」
三拍子揃って、四国では歩き遍路は最も恵まれた人。
その最も恵まれた人が、
土佐路が最も誇る難所「真っ縦」で、すでに、
負け犬、落ち武者、手負い獅子。(笑)
樹齢数百年の大木とよく刈り揃えられた低木よくマッチして、端正な庭。
その庭園から湧き出る高知の名水「高峯の水」をペットボトルにもらって、
下の駐車場脇の休憩所でボリュームたっぷりの野菜うどんたべて、
27番神峯寺、山を下りることにした。
山の風に、鳥籠の文鳥がさえずっていた。
そして半端じゃない急勾配の下り坂。
もう、馬鹿馬鹿しくてやっていられるか!!
この山、下りたらもう帰ろう!!
年を経た古ダヌキ、挫折と打算の折り合い付けて、
もう辞めた!!
と、一服。そして東谷でもらったミカン食ってたら、
「マムシ注意」の立札の脇を回って、下から上がってきた若いお遍路さん、
顔見知りの彼奴。
すごい健脚、韋駄天、イケメンで、
まるで遍路道に桜吹雪でもまき散らしているように歩いているくせに、
区切り打ちの姉さんお遍路に、恋をして、
道草をして、物見遊山、相合道中をして、別れのラブストーリーまで演じて、
遅れに遅れて、また登場!! (^^♪
「爺ちゃん! 居はりましたね! また、しけた顔して・・!」
「また、お前か!?」 (笑)
「あっ、ミカン食ってる、おくれ!」
「彼女、どうした?」
「区切り打ちなんで、24番最御崎寺で別れました。あの人すごく泣きました。僕も一寸泣きました」
滂涙、滂涙の、別れの名場面は車接待になったらしい。 (^^♪
人生途上、何に出会うかわからない。
何にぶつかるかわからない。
ぶつかることによって、こじ開けられる好機もあれば、奈落の底に転落あるやもしれず、
人生、何処で何が待ってるか、誰にもわからない。
自分探しでないけれど、見えているだけがすべてでもない。
見えてないその向こうに何かがあって、
その何か、
もしかして自分を活かす大いなる何者か、
その何者かに出会う手筈の遍路道。
「あああ、グレート・サムシングに会いたかったなぁ~!」
「爺ちゃん! へばっても恰好いいこと言いますね!」
そして彼奴の提案!
「爺ちゃん! 今晩御一緒に、野宿しませんか?」
どうせ帰ったって、挫折遍路! 世間の笑い者。
一泊もまぁ、いいか!!
で、全く想定外、彼奴と御一緒する野宿遍路! (^^♪
でもやってみると、がらりと世界が変わった!
突然鳴り出した彼奴のケイタイ。
(今ではもうガラケなどと言われているけど、当時はまだ新鮮だった)
何と彼奴の口から飛び出した聞いたこともないような、さわやかな英語。
まさかの、まさか!
乞食同然、この野宿、この悲惨な現場で、
「お前! 一体、何者!?」
意気投合。
遍路終わって彼奴、拙宅へ来訪。
巡り巡って彼奴、在外公館派遣員に、
中東の国、オーマンに居たかと思えば、国家試験に受かって、
今、外務官僚。
霞が関から、メールくれる人。 (^^♪