意欲減退。
すぐ疲れて、やる気も失せる。
今更、老害をぼやいてみても始まらない。
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残業に次ぐ残業、過酷な下積み時代。
気晴らしの唯一の趣味は古本屋さん巡り。無い時間を割いてよく大阪に出掛けたものだ。その本屋さんが次々とつぶれて、行き場を失った。
今は面白くもないけど、古本はネットショップで注文。1800円以上買うと、送料無料。
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付け足しで買ったこの本。
普段はあまり読まない類。それが意外と面白かった。
道場剣法、その師匠と師範代が解く人間味が人を惹きつける。
「一刀流には、短期間で身につく秘剣がある」
藤兵衛はおもむろに言った。短期間に身につく秘剣などなかった。だが恐怖に怯え切っている少年にやる気と自信、そして勇気を取り戻してやりたかった。
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対人恐怖症、人前であがる、物が言えない、吃もる。
皆さんは元々、どこも悪くない!
得体の知れむ影に怯えているだけなんだ。
恐れ、逃げ回っているから、症状がつけあがる。
引っ込んでいないで、表に出て、人前に立ち、弁舌を錬磨することだ。極意がある。
それが東京正生学院院長の口癖だった。
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そして発声練習として、繰り返し繰り返し、格言を叩き込まれた。
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切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ 踏み込み行かば後は極楽。
心は天国をつくり また地獄をつくる
人間最大の勝利は 己に勝つにあり
成せば成る成さねば成らぬ何事も、成さぬは己が成さぬなりけり
雨露に打るればこそ紅葉の 錦をかざる秋はありけり
艱難汝を玉にす
玉 磨かざれば 光なし
今日再不来(今日という日は二度とは訪れない)
断じて行えば 鬼神もこれを割く
重くとも堪えて待てや 雪の竹
身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ
ピンチはチャンス
明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは
若きとて末を永きと思うなよ 無常の風は時を嫌わず
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これらすべて、死生観、逆境観ですね。
昔の日本人は、リスク、スランプ、試練を悪とは捉えていなかった。
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師匠の教えに従って試練を乗り越えた少年剣士が御前試合で、
かっての悪餓鬼ライバルに打ち勝つ秘剣は読みごたえがあった。
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老衰をぼやいている場合じゃない!! (笑)
『つんぼ桟敷の東京青春記』を書いてみたくなった。
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