高く

その雨雲の上に

ひょっこりとみえる明るい青と白

とても高く

僕は歩みを止めてみとれてしまう

あの高度の空は

いつも晴れていて

いつも笑っているのだろう

 

切なく想う

たしかに今

過去の記憶をその空に照らし合わせる自分をみてしまったから

雨雲のパズルが欠けて

そこには遠きアオが映っている

子供の頃はあんなにたくさん見た空なのに

なぜ今は顔を上げないのだろう

天と地が

理想と現実を照らし合わせているように

そんなふうにみえた

 

その欠けた空に

ひこうき雲が映って

僕は言葉が

言葉を失って立ちつくしてしまう

その仕草はまるで

泣いているように写ったかもしれない

子供が泣いているように

写ったかもしれない

 

どんなにあの時を想ったとしても

戻ることのできない現実が

人は

忙しさでわざとその気持ちを押しやっているのかもしれないね

 

僕は不器用だから

あまりにも直線的にその気持ちにぶつかって

今でも動けないでいるんだ

 

人は忘れてしまう

だけどそれはとても

とても とても哀しいことだよ・・・