そして 一人の僕は空を見上げ

一人の僕は涙を流す

 

時には強く 時には優しく

天から舞い降りて やがては消える白い妖精達

彼女等を見ていると なぜかせつなくなる

 

日々の悲しみや辛さを空がつつみきれずに

あふれ出たものが 地上に降りてきたようだ

 

いつのまにか視界は真っ白で

深い深い哀しみの中にいる自分に気付く

僕は止めていた足を動かし

再び白銀の世界を歩き出す

 

ふと振り返れば 消えかかった自分の足跡

足跡さえも残せない自分の人生に

なぜか悔しくて涙が出た

 

もう前しかない

ひたむきに ただひらすらに歩く

全てを捨てて なにもないこの白銀の世界を

歩く そして歩く

今足を止めてしまっては考えてしまうから

だから歩く

 

そして一人の僕は空を見上げ

一人の僕は涙を流す・・・