こんばんわ、ryu's bar です

 

今宵はマスターひとりでカウンターの内側で飲んでます

 

今日は考えさせられることがありました

 

 

 

一本の電話が会社に入った

 

彼は重要な会議の真っ最中だった

 

同じ部署のアシスタントの女子がメモを片手に会議室へ入ってきた

 

えらく慌てているようだった

 

そのメモを彼に渡すと、

 

「急いでいるみたいの口ぶりでした、、、ここへ連絡して欲しいと」

と小声で彼に伝えた

 

そのメモには名字は彼と同じで、名前はカタカナで書いてあり、

 

携帯の電話番号が記してあった

 

彼はそのメモを手に取りその場から退席した

 

 

自分の携帯からそのメモの携帯番号に電話をした

 

5回コールぐらいで電話に出たのは紛れもなく彼の姉だった

 

彼女が放った言葉はただひとこと、、、

 

「母が入院している、見舞いに行く気はあるのか?」

 

(、、、行く気があるのか?)の言葉に違和感を持った彼はとっさに

 

「仕事中なのでまた後ほど、、、」と言って電話を切った

 

 

それから会議は終わったものの週末の金曜日なので

慌ただしく時間が過ぎた

 

彼は仕事をしながら姉が言った言葉を何度も何度も繰り返し

意味を問うた

 

(行く気があるのか?)

 

20年ぶりに会話した言葉がそれか?と彼は思った

 

俺は悪者か?貴方、それに母や父から悪者呼ばわれか?

 

何をした?そんなに迷惑を掛けたか?

 

少なくとも貴方よりイイ子でいたはず

 

 

いいところばかり自分のもの、

 

人としてどうなのか?

 

家族に散々心配や迷惑をかけて過ごした自分の今までを振り返って

考えたことがあるのか?

 

 

貴方たち三人は姫☆のことを認めなかった

 

姫☆は一生懸命彼の家族になろうと努力していた

 

掌を返されても努力していた

 

病に伏せてもその思いは続いた

 

しかし、そんな闘病している最中に彼の父が病棟に現れ

 

姫☆に一喝した

 

病人に対して一喝する、、、考えられない

 

 

それでも姫☆は我慢した

 

そんな出来事があったことを彼は姫☆が逝った後に知った

 

 

それを聞いた彼は姫☆のことを最後まで認めてくれなかった親に対して絶望感を覚えた

 

親の前に、

 

家族の前に、

 

人としてどうなのか?

 

 

人として、、、

 

人間として、、、

 

誠実に人のことを尊重したのだろうか?

 

 

少なくともそれを感じたことがない彼だった

 

 

もういい、

 

もうたくさん、

 

何もいらない、

 

何も知りたくない、

 

何の連絡もしなくていい、

 

「お昼の件、見送ります。又、今後の連絡も不要です、、、、、」

 

というショートメールを送ってメールも電話履歴も削除した

 

 

これでいい、

 

何度も自問自答したが、

 

間違っていない

 

 

遠くの肉親より近くの他人、

 

それが彼の答えだった

 

 

彼の最愛の人を認めてくれなかった家族は彼にとっては必要ない

 

認めてくれなかった理由も受け入れらえない

 

 

89歳、生きていることで幸せかと思います

 

もしものことがあったとしたら、、、

 

彼は大往生という言葉を彼女に送るだろう、

 

 

親の死に目に会わない、罰当たりか!

 

と、言うことも言われるかもしれませんが、

死に目に会わないと罰当たりなのか?と問いたい

 

みんなみんなサザエさんみたいな家族じゃないですよ

 

そんな無形の形より、

心の中で思っていることを彼は大切にすることでしょう

 

 

人はみんな最後の時が来ます

 

その最後の時まで与えらえた時間を無駄にすることなく、

しっかりと生きることを思った日でした

 

 

合掌

 

ryusei