◆ 全国初!奈良市に外国人専用避難所設置!!
昨年11月21日、奈良県の猿沢インと奈良市とで協定が締結されました。
災害対策基本法に基づく外国人専用の福祉避難所(※)として、
奈良県外国人観光客交流館(猿沢イン)を活用する協定です。
これをもって、全国で初めて、外国人専用の避難所が奈良市にできたことになります。
一昨年の9月議会で、私が提案してから随分と時間がかかりましたが、ようやく整いました。
◆ 猿沢インとは?
平成25年8月末に閉鎖した旅館・猿沢荘を県がリニューアルし、
奈良県外国人観光客交流館(通称、猿沢イン)として開館しました。
4階建ての施設で、英語や中国語を話せるスタッフが常駐し、イスラム教徒のための礼拝室も設置されています。
猿沢池のほとりにあることから猿沢インという愛称で呼ばれています。
宿泊だけでなく、奈良を訪れた外国人への様々な情報提供や日本文化の体験ができるこの猿沢インを
奈良市や運営事業者と協力をして、災害時には宿泊客とは別に約240人が避難できる体制が整えられました。
また備蓄食料もイスラム教徒の戒律に沿ったハラル対応の非常食も用意されます。
◆ きっかけ
議会質問のきっかけとなったのは、県内の「避難者カード」の調査です。
これは、東日本大震災後、災害対策基本法が改正をされ、これを受けた内閣府の避難所の取り組み指針で作成することが望ましいとされたものです。避難所運営に必ず必要な氏名や住所だけでなく、避難者の状態を記入できるような工夫がされました。
例えば、「障害のある子がいるので、車内で避難する」や「食べ物にアレルギーがある」などとご本人に記載してもらえれば、車中泊の方にも食事の提供ができたり、安心して食べられたり、福祉避難所が設置された際にはお知らせすることができます。
さて、奈良県内の避難者カードの作成状況はというと、県内39市町村のうち、8町村が避難者カードを作成していませんでした。作成している市町村も要配慮者(要介護者、妊産婦、障害者)に関して半数以上の自治体が触れてはいるものの、まったく記載のない市町村も多く見受けられました。そして、39市町村の中で、外国人についての記載があったのは、たった一つの自治体のみでした。