04/26/2024

晴れ

 

^春っぽい

 

CERNのサマーリサーチで配属されるグループが公表される。

 

日本から派遣される学生には良いプロジェクト与えられないよ、期待せず夏休みとして参加しな、とXさんから聞いていて、歴史的にみてもLHCリングに落ち着く人が大多数だったので、僕もCMS検出器とかのグループで配管工事でもするのだろうと思ってた。

 

^CERNの地図。青色のリングがLHC。

 

 

ところが、公表された僕の配属先はAD (上の地図でオレンジ色のリング)で、しかも僕がBerkeleyのPhD出願時に志望した実験グループである。誰かに引き抜かれたとしか思えない。

 

^AD内部 (CERNのページから引用)。6つくらいのグループが集まってしのぎを削る。

 

ADは 反物質(antimatter) を生成する世界唯一の施設。反物質とか名前からして怖そうだ、ということでハリウッド映画で反物質核兵器だとか超常現象だとかよくネタにされる。

^某ハリウッド映画。わろた

 

でも、そんなものができる見込みは一切なくて、素粒子理論の検証のためにちょっとした測定をするのが現時点の限界。

 

もっと説明すると、ADでは隣の粒子加速器で粒子を衝突させて出した反陽子とかを減速させ、数cmの長さのトラップに捕獲し、1ケルビン以下の温度まで冷却し、色んな計測をする。この捕獲と冷却がとにかく難しい。普通の気体を箱に入れるのと違って、反物質はトラップの壁に触れると消滅するし、じゃあどうすんねん、と話せば長くなるけれど、それに20年余りの歳月をかけたのち、最近になって有意義な測定を幾つか行えるようになった、というくだり。


 

まあそういうことなので参加前に読んでおけ、と資料を幾つか渡される。思ってたよりえげつない量。数週間で読み終わるかな。


 

 

オーストリアのISTAドイツのMax-Planck Institute からもサマーリサーチのオファーが来る。CERNと期間が被るので辞退したけれど、出したところ殆ど全部受かっててやばい。

 

昨年は色んなことが鳴かず飛ばずで、年末には大学院やサマーリサーチのアプリケーションに希望のかけらすら持てず応募することすら躊躇していたのを思い出すと、人生どこで大きく動くかわからないから諦めてはいけないんだって思う。

 

 

 

 

 

経済の中間試験で無事死亡する。卒業できるかな。ほんま、人生どこでどう動くかわからんから。