【膵(すい)臓がん 4】
逆流性胆管炎による入院自体は、4日間の入院となりました。
抗生剤の点滴を4日間続けて、血液検査も4日間は続け、症状が収まり退院となり
ます。
しかし、同じ症状は、今後も起こる可能性があり、今までに、2回ほど同じ症状が起
こっています。
その時のために、抗生剤の薬を処方してもらっているのでそれで何とかしのいでき
ています。
このように、消化酵素を分泌する重要な臓器(膵臓)の2分の3を切除すると言う
ことでいろいろな病気を併発することとなります。
この「膵頭十二指腸切除術」には、メリットもありますがデメリットもあります。
以下に、「膵頭十二指腸切除術」(以下「Whipple手術」)のメリット、デメリット、およびリスクについて説明します。
メリット:
1. がんの摘出:
Whipple手術は、すい臓の頭部、十二指腸、胃の一部、および胆のうがんに影響を受けた組織を取り除くため、がんの完全な摘出が可能です。
2. 長期の生存率向上:
早期にがんが発見され、手術が成功すれば、患者の長期の生存率が向上することがあります。
3. 症状の緩和:
手術によってがんがコントロールされると、症状の進行を遅らせ、緩和することが期待されます。
4. 再発の防止:
がんの完全摘出により、再発のリスクが低減する可能性があります。
デメリットとリスク:
1. 高度な手術:
Whipple手術は高度な外科手術であり、複雑なプロセスを伴います。
手術後のリカバリーには時間がかかります。
2. 合併症のリスク:
手術には合併症のリスクが伴います。
出血、感染症、膵漏れ、胆道の損傷などが発生する可能性があります。
3. 腹部の機能の変化:
手術後、腹部の機能に変化が生じる可能性があります。
例えば、食事に関連する問題や体重の変動が起こることがあります。
4. ダンピング症候群:
胃の一部が取り除かれるため、食べ物が小腸に急速に移動し、ダンピング症候群と呼ばれる症状が起こることがあります。
これには、吐き気、腹痛、下痢などが含まれます。
5. 消化酵素の不足:
膵臓の一部が切除されるため、消化酵素の不足が生じ、栄養吸収に関連する問題が発生する可能性があります。
6. 手術が行えない場合:
一部の患者は、すでに進行がんが進んでいるために手術が不可能な場合があります。
Whipple手術の適切な選択と成功は、患者の全身状態、がんの進行度、および外科医のスキルに依存します。
手術を検討する患者は、医師との詳細な相談を通じて、リスクと利益を理解し、適切な治療計画を立てることが重要となります。
それ以外にも、すい臓がんの手術には、以下の手術方法があります。
1. 膵体尾切除術:
がんが膵体部分に限局している場合、膵体尾切除が選択されることがあります。
この手術では、膵体と尾の部分が切り取られます。
2. 全摘除手術:
がんが膵臓全体に広がっている場合、全摘除手術が検討されることがあります。
この手術では、膵臓全体と周囲の組織が摘出されます。
3. 腹腔鏡手術:
近年では、腹腔鏡手術(またはロボット支援手術)が行われることがあります。
腹腔鏡手術は通常、小さな切開を使用して内視鏡を挿入し、手術を行います。
これにより患者の回復期間が短縮されることがあります。
手術は通常がんの初期段階に対して効果的であり、腫瘍を取り除くことができる
場合があります。
ただし、手術ができない場合や他の治療法と組み合わせて用いる場合もあります。
手術後は、患者はリハビリテーションやフォローアップの治療を受けることが通常
となります。
手術はリスクを伴うため、医師と患者は慎重に手術の選択を行い、リスクと利益を
バランスさせる必要があります。 個々の症例に対する最適な治療法は、患者の健康
状態やがんの進行度に基づいて決定されます。
~続く~