【膵(すい)臓がん 1】

 

 

 人間を含め、動物は、癌になるリスクを抱えています。

 

 癌細胞は通常、体内で日々発生しています。

 

 正確なメカニズムは複雑であり、正確な原因は不明と

 

 言われていますが、

 

 細胞分裂やDNAの損傷、遺伝的な変異などが影響を

 

 与える可能性があると言われています。

 

  癌細胞が形成されること自体は一般的ですが、通常、

 

 免疫システムや他の身体の防御機構によってこれらの

 

 異常な細胞が排除または制御されています。

 

 健康な人々の場合、免疫システムは異常な細胞を検知し、

 

 排除する能力があります。

 

  また、体内の多くの異常な細胞は自己修復メカニズムに

 

 よって修復されることもあります。

 

  しかし、これらのメカニズムが十分でない場合や特定の

 

 リスク要因が存在する場合、異常な細胞ががんとして進展

 

 する可能性が高まります。

 

 がんが発生する理由は多岐にわたり、遺伝的な要因、環境要因、

 

 ライフスタイルの影響などが関与しています。

 

 がんの発生を完全に防ぐことは難しいですが、健康な生活習慣、

 

 定期的な健康診断、予防的な行動などががんのリスクを減少させる

 

 のに役立つ可能性があります。

 

 私の場合、何の症状もなく、通常でしたら見つけることが出来な

 

 かったはずですが、毎年の人間ドックの受診で見つけることが出来

 

 ました。

 

 

 このように、毎日なんらかの癌細胞が生成されているにも関わらず

 

 癌にならずに済んでいるのは、免疫システムや防御機構として、

 

 T細胞やNK細胞、マクロファージなどが異常な細胞やがん細胞

 

 を検知し、攻撃して排除する役割を果たしてくれているからです。

 

 癌の種類は非常に多く、体のどの部位でも発症すると考えておいた

 

 方が良いと思います。

 

 癌の発症する順位としては、(2020年WHO統計)によれば、

 

  1.      肺がん: 約11.4%

  2.      乳がん: 約11.1%

  3.   大腸がん:約10.0%

  4.     胃がん: 約5.6%

  5.     肝臓がん: 約4.9%

 

 とされていますが、その中でも「膵臓がん」は、約0.8%と

 

 発症する率としては非常に低い部類に入りますが、非常に発見

 

 しにくいことや発見できても手術自体が、難しいことから、症状

 

 が出て、既に進行している場合は、手術自体ができないこともあ

 

 ります。

 

 そのため、すい臓がんの生存率自体の非常に低いのが現実で、

 

 症状が出てからですとほとんどの場合が、死につながると考えら

 

 れます。

 

 すい臓は、胃の後ろに位置し、主に消化酵素やホルモンの生成に

 

 関与しています。

 

 すい臓がんは一般に早期に症状が現れないため、進行してから

 

 発見されることが多いです。

 

 まずは、膵臓の働きを整理しておきましょう。

 

 膵臓(すいぞう)は、体内の重要な臓器で、主に以下の2つの機能

 を担っています。

 

 1.      外分泌機能(消化酵素の分泌):

 

         膵臓の外分泌機能は、主に消化に関与します。

 

    膵臓は膵液を生成し、この膵液には消化酵素が含まれています。

 

    食物が胃から十二指腸に移動すると、膵液が放出されて

 

    十二指腸内で消化されます。 

 

    この過程で、炭水化物、脂肪、およびタンパク質が分解され、

 

    栄養素が吸収可能な形に変換されます。

 

 2.      内分泌機能(ホルモンの分泌):

 

    膵臓の内分泌機能は、ホルモンの分泌に関連しています。

 

    主にランゲルハンス島(膵島)と呼ばれる小さな部分に位置する

 

    細胞が、ホルモンを産生します。

 

    インスリン: インスリンは、血糖値を下げる役割を果たします。

 

         食事から摂取された糖分が血液中に増加すると、膵島の

 

         ベータ細胞がインスリンを分泌し、体内の細胞に糖を取り

 

         込ませ、肝臓においても糖の生成を抑制します。

 

        グルカゴン: グルカゴンは、血糖値を上昇させる働きがあります。

 

         低血糖状態のとき、膵島のアルファ細胞がグルカゴンを分泌し、

 

         肝臓での糖の生成を促進し、筋肉や脂肪組織からの糖の放出

 

         を増加させます。

 

   このように、膵臓は体内のエネルギーの調整や栄養の吸収に重要な役割

 

   を果たしています。

 

   インスリンとグルカゴンのバランスが崩れると、血糖値の調整がうまく

 

   いかず、糖尿病などの代謝疾患が発生する可能性があります。

 

~続く~