Volvo 940 Estateのボディ
W210の全長4800ミリに対し4850ミリとW210よりホンのちょっと長い
ただ、ホイルベースは W210 2835ミリに対し 940 2770ミリと短く
車幅も、W210の1800ミリに対し1755ミリでかなりW210に比べて狭い。
このためか最小回転半径が5.0メートルと小回りが効き、
日本の道路事情に則している。

直4気筒2.3リットルエンジンは、W210のV6 3.2リットルと比べると
やはり振動、音も大きい。
クラシックのロープレッシャーターボは、下からトルクフルでターボの存在を
感じさせず、知らなければノンターボと言われても気がつかないだろう。
ドアを閉めた時の「カッチ」という音は、W210のそれより
あの剛性感の固まりのような、W124に似た感じがした。
安全を売り物にしていた「VOLVO」
この当時の車としては先進的であったABSを標準装備し、ヘッドライトワイパーも標準
であった。
ヘッドライトもガラス製で、現代の車(W210を含む)の標準の樹脂製ライトカバーの
泣き所である「黄ばみ」とは縁が無い。
サスペンションは先代740からキャリーオーバーだが、素直でFRらしい操舵感を持つ。
この車の一番の魅力は広大なラゲッジスペースであろう。

スクエアで出っ張りの少なく、後席を倒せば「棺桶」さえも入ると言われる。

また後席センターは、チャイルドシートに変身する仕掛けも特筆もの。
小さなお子さん一人の家庭なら、広い荷室と合わせ、国産ワゴン車の必要など無い。
こんなFRボルボなかなか良い個体が無くなって来ている。
中古車サイトで検索すると後継のFFボルボのV70(S70)は700台以上掲載されているが
940エステートは30台程度。
中でも本革、サンルーフ、ウッドパネル、電動シートの仕様が標準の「クラシック」は
更に数の限りがある。
安全を全面に打ち出していた頃のVOLOVOを味わう最後のチャンスかもしれない。


