お酒で日本列島をめぐる旅。5回目は秋田県。

秋田は、日本酒の消費量が全国1位・2位を争うほどの日本酒好きであり、創業100年を超える酒蔵が多い「美酒王国」とも呼ばれています。日本有数の米どころとしても有名な秋田の日本酒は、米の甘味が楽しめる銘酒が豊富です。

秋田県の代表的なお酒をいくつかご紹介

【新政（あらまさ）】

「新政」を生んだ新政酒造は、創業1852年（嘉永5年）、現存する最古の酵母「きょうかい6号（6号酵母）」の生みの親としても知られる老舗蔵元です。そんな由緒ある酒蔵における、21世紀の酒造りをめざした変革が、日本酒愛好家の確かな支持を集めています。

一方で、伝統や地域性を尊ぶ酒造りからは連想しがたい、スタイリッシュなボトルデザインにも定評があります。
若い女性からは「インスタ映え」すると評判で、写真を撮って開栓する楽しみも味わえる、1本で二度おいしい日本酒といえるでしょう。

【雪の茅舎（ゆきのぼうしゃ）】

NHKプロフッショナル仕事の流儀伝説の杜氏「高橋藤一」氏が醸す日本酒「雪の茅舎」を造る齋彌酒造店（さいやしゅぞうてん）は、全国新酒鑑評会で平成に入ってからだけでも19回の金賞受賞、秋田県No.1の実績を持つ、明治35年（1902年）創業の秋田県由利本荘市にある蔵元です。

齋彌酒造店の酒造りの総責任者は、地元秋田の「山内杜氏組合・組合長」でもある「高橋藤一」氏。昭和20年生まれの同氏は、ふだんは温厚で親しみやすい人柄も、酒蔵に入ると「酒造りの鬼」と化し、ひとつひとつの作業にも決して手を抜かず、常に試行錯誤を続けています。

【花邑（はなむら）】

「花邑」は、幻の酒と評される「十四代」の流れをくむことで話題となった純米酒。

「花邑」は、秋田の名蔵元として知られる両関酒造が、その名を冠した「両関」に続いて立ち上げた、第二のブランドで、その完成度の高さに加え、「十四代」の遺伝子を持つ日本酒としての話題性から脚光を浴びました。さらに生産量や取扱店の少なさもあって、非常に入手困難な日本酒となっています。

上質な日本酒は、器に注ぐだけで、日本酒そのものが発する「上立香（うわだちか）」をたのしめるといいます。「花邑」は適度に冷やして、この上立香をゆったりと感じながらいただくのがおすすめ。余韻が心地よく、箸も進みそうですが、味を主張しないさっぱりした料理が好相性です。

【春霞（はるかすみ）】

「春霞」は仙北平野の良質の米と、六郷の名水に育まれた日本酒。謡曲「羽衣」の一節から命名され、百数十年にわたって愛され続けてきた秋田の名酒です。

「春霞」がめざしているのは、「ごはんのおかずとも相性のよい食中酒」。特別な料理だけでなく、日常の食事とともにたのしんでもらえる酒を醸したい！そんな気持ちをこめて醸されているのだとか。

純米「春霞赤ラベル」は、ほのかな香りとやわらかな旨味、おだやかな酸味が特徴です。

【鳥海山（ちょうかいさん）】

「鳥海山」は秋田県のみならず、日本を代表する日本酒として「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」をはじめ、国内外の賞レースを席巻。話題を集めています。

「鳥海山」を生んだのは、日本酒好きが集まる町で酒造りを手がける天寿酒造。1874年（明治7年）創業という老舗の酒蔵です。
天寿酒造のこだわりが育む「鳥海山」は、地元の人々はもちろん、国内外の日本酒好きに愛されていて、井戸からわき出る鳥海山の伏流水と、厳選された「秋田酒こまち」と「美山錦」は、天寿酒造の指導のもと、蔵人や地元の農家で構成された「天寿酒米研究会」によって栽培され、徹底した品質管理のもとに育まれ、「鳥海山」の品質を支えています。

秋田県の日本酒！