才能を潰すのは素人でも簡単に出来てしまうんです。
昔、こんな逸話を見たことがあります。
世界一の才能をもったピアニストAさんと、それを忌み嫌うどこにでもいる腕前のピアニストBさん。
あるとき、Bさんは作戦を企てます。
そんなに大層な作戦ではありません。
Aさんのコンサートに参加した人の中から5人くらいに、お金を渡してこうお願いしたのです。
『Aさんに、今日はどこか体調が悪かったのかしら?って聞いてもらっていい?』と。
これだけです。
そう聞かれたAさんはさすがに否定します。
『いえ、今日も最高の出来だったわ。』
それをコンサートの度に、Bさんは違う人に毎回5人ずつお願いして回ったのです。
するとどうでしょう。
半年もしないうちにAさんはステージに立てなくなってしまったのです。
しまいには、練習中にも精細さを欠き、信頼しているコーチにこう聞かれてしまいます?
『どうしたのA?どこか調子が悪いの?』
もちろん、このコーチはBさんに依頼されたわけではありません。
そしてAさんは答えます。
『ええ。ここ数ヶ月、全くうまくいかないわ。左手が思うように動かないの。』
そしてAさんはピアニストの道を断念したそうです。
これが暗示の力です。
本当に怖いことです。
僕たちは、無意識のうちに恐ろしい言葉の魔法で誰かの才能を殺してしまっていないだろうか。
この世界には、本当は持っていた才能を押し込めたまま生活している人がどれくらいいるだろうか。
子供への言葉かけ、部下への言葉かけ、夫婦の会話、親への言葉かけ、気をつけたいものですね。
良かれと思った苦言は、実は全然良くなかったってケースがほとんどですから・・・。
(今流行りのアドラー心理学の勇気付けも同じ理論です。)
もちろん、一度引っ込んでしまった才能をまた呼び起こすことも出来ます。
むしろ僕はそれに今、すべての時間と力を使っているわけで・・・・。
そのスキルはまた日々更新するブログの中で紹介しようと思います。
あとは、三月から配信するメルマガとかで。
(登録してくださった皆様ありがとうございます!)
ちなみに、この逸話には続きがあります。
Aさん引きずりおとしたBさんの話です。
Bさんはそもそも練習に熱を入れずに、Aさんを引きずり落とすことに力を入れていたせいでさほどピアノの腕は上がらず、ステージに出る機会もほとんど増えることがないまま、しまいにはAさんにした行為を誰かにばらされて協会から永遠に追放されてしまったのでした・・・。
僕の好きな名言を一つ。
『金持ちをいくら引き下げて貧乏にしたところで、貧乏人がお金持ちになることはないよ。』
幸せはいつも、自分の心が決める。
良い言葉の魔法が飛び交う世界になりますように。