これは、むかーしむかしの若い頃(今も若いよガーン)体験した忘れられない怖い話…。


私的にはかなりハードだと思います…


ですので、怖いのは苦手!という方はこれ以上読み進まれる事はお薦め出来ません。
ご注意下さい。


では始めます…。


その日は、日帰りで友人カップルに便乗し、私を含む女友達3人の計5人で長野県に遊びに行った帰りの事。


翌日は仕事だったから早めに現地を出て、戻る道すがら夕食を取ろうとファミレスに入った。


立ち寄った場所や、次回行きたい場所など談笑していると、それに混じり今居る店舗の近くの有名な心霊スポットの話が出たのだ。
その場所とはG県にある埋蔵金説で有名なA城山。


周辺も心霊スポットとして有名な場所が多く存在する。


そして、スリルな話繋がりから、私が以前行った事のあるA城山のスリリングで特殊な坂道を思い出したのだ。


今思えばよくも下らない遊びに興じてたと呆れるが、スピードを上げて走り抜けるとスリルが味わえる不思議な坂があり、以前連れて行ってもらい体感した事、一瞬宙に浮いたように、まるで遊園地の遊具に乗ったような感覚になる事からジェットコースターなどと呼ばれていた事を後先考えず話した。


すると、その不思議な坂体験がしたくなったらしく、友人は彼にしきりにねだり始め、連鎖的に居合わせた友人達まで興味を持つ事となった。


ならば後日にでも行ってみようと話をまとめに入ったのだが、それぞれの都合が見事に合わない。


その上、女性の運転では無理だ。


私も連れて行ってくれた先輩に話してはみるが、約束は出来ない事を伝えつつ、なんて無責任に話を振ったのかと少々恐縮し始めたその時…


『じゃあ…
今から行ってみる?』


唐突に切り出したのは友人の彼だった。


それまでやいのやいのと騒々しかった会話は止み、一同が一斉に彼を見る。


『今から?夜なのに?』


すると、別に夜でも構わないんじゃないかと言い出す者や、後日に改めようと言った者とで意見が別れるも、その彼も以前行った事があり、そう危険でもないなどと言い出したものだから、そそくさと食事を終え、私達はそこへ向かう事となったのだ。


確かにその地点からは遠くないが、翌日の事も考えると向かい始めてもまだ気乗りしないままだった。
今思えばそれは足止め…行くなというサインだったような気がする。


けれど、そんな思いとは裏腹に飛ばしに飛ばしたせいかその場所へは驚く程早く着いた。


当然、夜の山は暗くてそれだけで不気味だ。
おまけに心霊スポットとしても有名だったから尚更怖い。


私はふざけてそう言った類の場所を冷やかす趣味は無いので、目的の場所に向かい、お試しにスリリングを味ったら早々に戻ろうと話をまとめた頃には件の坂に着いていた。


思いのほか友人達は嬉々として、私もその下らないスリルにいつの間にか不気味さを忘れていた。


ひとしきりスリルを味わった私達は戻る為、順よく山道を進んでいる時だった。


来た時はわりとすんなり来たのにどうやら少々迷ったようなのだ。


どうにも戻る方向の降り口が分からない。


そうするうちに、やにわに抜けたのは別荘地だった。


シーズンオフなのか人の気配は無く、そこにあった略図を頼りに降り口を見出し進み始めた。


すると、その先の数少ない街路灯の下に中学生くらいの年の頃の女の子と、その娘のお祖母さんと思しき人が並んで立って居る。


運転手である友人の彼が徐行しながら通り過ぎようとした時、そのお婆さんがすみませんというような意味合いの会釈をした。


何か言いたげにこちらを見る。


彼は窓を開け『どうかしましたか』と話し掛けた。
私が乗っていた場所はその彼の後ろだったから、私も何となく見る。


もう暗いし山を降りたいが、道が分からないので教えてほしいとの事だった。


ほんのり微笑んだような表情のお婆さんとは対照的に女の子は不安なのか、口を真一文字に結び、目は上目使いでずっと強い眼差しを向けている。


私達も少々道に迷っている事や、方向がどこでも構わないのなら道なりに進んで行けばやがて出られる筈だと告げると、今度はありがとうという意味合いの会釈をした。


そして私達はその場所を後にし、進み出してはみたが何かが引っ掛かる……。


こんな時間に民家が無い山中に居る事、しかも徒歩だなんて…


私達の車には定員で乗せられるわけではないけれど、せめて道を間違えてはいないかと心配で戻ったが既におらず、辺りをぐるりと走り探したが何処にも人っ子一人見当たらないのだ。


山を降りたがっている者が分かりづらい枝道に入るだろうか…。


ましてや夜だ。


まだ2、3分前の話なのに…何だかざらざらした感覚を覚える。


どうしたんだろうね…
と気にしてるうちに重大な事に気付いた。


それは二人の格好。


お婆さんはその年の頃の方が好んで着るような薄手の柄物ブラウス。
女の子に至っては夏の体操着にジャージを履いていたのを思い出したのだ。


こんな寒いのにあんな薄着で!?…


何かが変だ…


!!!


その季節はほぼ冬に近い秋も終わりの頃。


自分が薄手のコートを着ている事に気付き、とてもじゃないが半袖や薄着で居られる時期ではないと、いよいよ奇妙さに皆がざわついた…。


何かがおかしい…
奇妙なシチュエーション、奇妙な薄着、消えたとしか言いようのない状況…。


ここでようやく気味悪さは頂点に達し、私達は熱いのか寒いのか体温調整が上手く行かないくらいの体の変調と不可思議さを覚えながら、何とか自分達の住む近隣地域の市街地まで来た。


どこかの駐車場らしき場所に車を止め、皆無言で視線を交え合い、今し方あった出来事の不気味さを噛みしめる…。


たまらず友人の一人が
『人間だよ人間!おかしなモノを見たわけじゃないよ』と一蹴し、その日以降も時々は口にするも、私達は不確かなまま忘れようとしていた。


あれは何だったのだろうか…


答えも証明も出来ずに時は流れていったが、誰もが引っ掛かりを感じながらそのままになった。


ところがこの話には二段オチがある。


そこから更に数年後、私は既に結婚をし、その不思議な体験を相方である夫に話していた。


そういった現象に否定的な感覚の持ち主ではなかったので、信じてはくれたが不確かさは否めず、ある日の職場でそんな話題が出たのを機に問える筈もない是非を問うべく仕事仲間に話したのだ。


すると絶句し、みるみる青ざめる者がいる。


その人物は年下の仕事仲間で、自分はそれと全く同じ話を知っていると言ったのだ。


しかも、聞いたのは自分の婚約者からで、酷く恐怖を覚えたから忘れようもないと言う。


もちろん私達とは世代も違うし接点も無い。


ましてや私達がその話をあちこちでしたわけでもないし、例えそうしたとしても、それほど轟いたとは思えない。


おぼろげな怪談話がほぼ確定した瞬間に立ち会ったのだから、その場はどれほどゾッとした事だろう。


そして帰宅するなりそれを告げられた時に感じた私の恐怖は未だに忘れられない。


確信をもたらすかのような巡り合わせすら怖かった。


あの時見た二人は、山で命を落とすような重大な出来事があり、今も出られずにさまよう者なのだろうか…


あの娘の、あの眼差しは恨みなのだろうか…と、ここまで書いて恐怖再びです。


なんだか肩も重いのでそろそろ終いたいのですが、それならばなぜ書いたのか…


忘れたくて…というか、自分の中で恐怖の分散が出来ればいいなと思ったのです。


ところが、書いたせいで逆に再認識…。


と、ここまでにしておきます。


どうなんでしょう…


この話…
信じるか、信じないかは、あなた次第!!


あまりの怖さに苦し紛れのあの決まり文句で締めくくってみましたガーン