2002年公開のこの映画、NHKBSでやってた
ので、録画したのを昨日見終えた

全く先入観も、情報も無く見たので、ここまで
虫ケラの様に殺戮されていくユダヤ人の描写を、
克明に、そしてリアルに表現されているのも
知らなかったので、何だかトラウマになりそう
やった…が、それが戦争の現実であり、その
悲惨さを伝えないと、この映画は意味が無い

普通に幸せに暮らしていた家族の日常が、
ある日突然取り上げられ、ある地区に詰め込まれ、
収容所へと送られていく…

家族を切り離されていくだけでも酷なのに、
無慈悲に簡単に殺されていく人間達…

人間の命の重さが、まるで羽毛の様に軽くなって
しまうのが日常茶飯事となるのが、戦争の悲惨さ
であるという事を、改めて知らされる

見ている自分自身が、まるでその戦争時に、突然
送り込まれた様な錯覚すら覚えた。

人間のエゴや恐怖や生き様を、まざまざと見せつけ
られた

この2時間以上ある映画で、救われる様な気持ちに
なって来たのは、ラスト30分くらいからである。

戦況が変わり、あれほど好き勝手に支配していた
ドイツ軍が、連合軍に追われていく立場へと変わる。

いろんな人達の助けを得て、まさに奇跡的に一人
だけ命を長らえる、主人公の名ピアニスト。

ついには、ドイツ軍の大尉にすら、そのピアノの
力もあって、その命を助けられるという更なる奇跡

この大尉だけが、唯一ナチスの中で紳士的な人として
存在していた(これも気持ち的に救われた感じ)のだが、
その後すぐに捕虜収容所で命を落としたらしい…。

数奇な運命と一言で言ってしまえば簡単だが、
実在するピアニストの実話だけに、そのリアルさが
余計に伝わってくる。

ハッキリと簡単に言ってしまえば、一人のユダヤ系
ポーランド人ピアニストが奇跡的に生き延びる、
信じられないサバイバルの物語とも言えるけど、
こんな事が実際に起こっていた事自体が、全ての
表現のリアル性に相まって、人間の愚かさとの一方で、
救いも表現され、最後には大きな感動を生むのである。

こんなにも、人生の中で5本の指に入る感じの
映画とは、思っても見なかった。

実際に、このシュピルマンというピアニストは、
2000年までご存命で、88才で天寿を全う
されている。

自分以外の家族は、全員収容所送りをされて
しまったが、奇跡的に生き延びた彼だけは、
その後もピアニストとして活躍し続けたのである。

当然というか、主人公役の俳優エイドリアン・ブロディ
は、アカデミー主演男優賞を受賞している。

悲惨な現実と交錯する様に流れるショパンの
調べが、余計にこの映画を更に崇高な世界へと
導いた気がする。

音楽というものが持つ力、戦争という悪魔をも
凌駕する、その偉大なる力も感じられて、
本当に心からお薦めしたくなる映画であった

偶然に、開始当初に見かけて、そのまま録画して
2日掛かりで見た甲斐があった。

どうぞ、良ければレンタルでも