先日、京王閣競輪に行かせてもらったときのこと。
中村由香里選手から、突然こう聞かれた。
「児玉兄弟ってスタートが速いですよね?何か秘訣あるんですか?」
正直、俺は内心ニヤリ。
だって、長男に至っては実戦でスタート決め損ねたことなんてほぼ記憶にねえし、
次男は養成所でスタート回数で常に上位に食い込んでるし。
で、俺は答えた。
「いや、秘訣と言いますか…。さんざん研究して、私のテクニックを詰め込んであるんです。ちょっとした事なのですが。」
ここからは、選手に伝えることが本題だ。言葉の伝え方一つで、選手の理解度が180度変わるってことを、俺は嫌と言う程味わって来た。いいかげんな指導者だったら?
「ドーン!って言って、パーン!ってやれ!」とか
「もっと気合い入れろ!」とか
そういう、意味不明でフワッとしたことしか言わねえ奴が多すぎんだよ。
おいおい、マジでそれで伝わってると思ってんのか?
そんな抽象的なこと言われても、頭の中に???がポコポコ出てくるだけだろ。
体が勝手に動くわけねえし。
そんな指導、昭和の時代に置いてこいよ。
俺のやり方は違う。
ただ速いだけじゃねえ。スタートってのは、反動と体重移動で勝負が決まる。
その動きを、体が自動で反応するレベルまで落とし込むんだ。
だから、俺はちゃんと体感できるように、ゆっくりポイントごとに分解して伝えた。
これが緊張した状態で出来るまで自分に落とし込めたら
「一瞬で、お前はもう他の奴らより1車身前なんだよ。」
そしたらどうよ、
すぐ練習で試してくれて、体が勝手に反応し始めてるのが見て取れた。
これだよ、これ。
俺の中で何かがスッキリした。結局、指導ってのはテクニックを教えることじゃなくて、
相手の頭の中に明確な絵を描かせることなんだ。フワッとした気合い論なんかじゃ誰も変わらねえ。
具体的に、鮮明に、脳みそに焼き付くように伝える。
それができて初めて、体が動く。
児玉兄弟のスタートが良いのは、ただ練習量したからじゃねえ。
頭の中にスタートの動きが完璧にインストールされてるからだ。
お前らも覚えとけよ。何かを極めたいなら、ただ闇雲にこなすんじゃねえ。
どうやったら脳が「これだ!」って納得するレベルまで落とし込めるかを考えろ。
そして、それを他人に伝える時は、ドーンとかパーンとか?みたいな言葉じゃなくて、相手の五感全部を刺激する言葉を選べ。
それができた瞬間、お前はもう一皮剥けた男だ。
まぁ、今回俺は競輪の現場でそれを再確認させてもらったって話。
あの時のお弟子さんの「お、来た!」って顔、忘れねえよ。
強い男は、言葉も強い。
覚えとけ。厳しいって⁉
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