104CYCLE TOSHIです。

 

機能美って、本当にいい言葉だよね。


「機能を突き詰めたものは美しい」

 

という信念のもとで生まれた形。無駄が削ぎ落とされ、目的に対して最適化された結果、そこに現れる静かな美しさ。

 

自転車の世界では、これが特に顕著に現れる分野だと思う。

 

ロードバイクのエアロフレーム、ピストの極限まで絞り込まれたチューブ形状、TTバイクの極端な前傾姿勢…

 

どれも「速くなるため」に生まれた形だからこそ、流麗で美しい。

 

風を切り裂くようなライン、必要最小限の素材、計算し尽くされた剛性と軽さのバランス。

 

まさに機能が美を生んでいる典型例だ。

 

でも、面白いことに、最速を追い求めるあまり、その「美」が一線を越えて「無骨さ」に転じる瞬間があるんだよね。

 

代表的な例はというと、まずグレアム・オーブリー(Graeme Obree)のライディングフォーム


1993年に彼が「Old Faithful」という自作バイクでアワーレコードを更新したときの、あの「タックポジション」。

 

肩をすぼめ、肘を体に密着させ、まるで体を丸めて空気抵抗を削るような姿勢。あれは空力的に正しかった(風洞実験でもCd値がかなり低かったと後年証明されている)。

 

でも、見た目は…正直どうなんだ?めちゃくちゃ痛々しい。優雅さのかけらもない、

 

ただただ機能のための「蹲踞(そんきょ)」みたいな姿だ。

 

美しいか?って聞かれたら、ほとんどの人は「いや、無骨すぎる」と笑うんじゃないかな。

 

次に、パリ〜ルーベ仕様のエディ・メルクス製バイク(Steve Bauerが1993年に乗った例)。


シート角度が極端に寝かされた、60度近い超スラックなジオメトリー。石畳の衝撃を吸収しやすく、クワド(大腿四頭筋)をより強く使うための実験的な設計だったらしい。あの寝そべるような姿勢は、確かに機能的だったのかもしれないけど、クラシックなロードの優美なシルエットからは完全に逸脱してる。

 

無骨を通り越して、ほとんどリカンベントに近い異形さだろ。

 

そして、日本で最も極端だった例が競輪界のシート角度80度超えブーム。


一時期、シートチューブがほとんど垂直に近いフレームが流行ったよね。選手の骨盤を立てて大腿筋をダイレクトに使い、並走(競り)のための究極の特化型設計。

 

俺もその頃、79度くらいのフレームに乗ってたけど…確かに「こぎやすい」面もあったよ。

 

反応の鋭さ、脚の回しやすさは抜群だった。でも、悪い面もあった。


操作性、重心位置の悪さ、転倒時の危険性…結局、競輪はあらゆる要素が問われる競技だから、極端に特化しすぎると他の要素で致命傷を負う。
一世を風靡した80度超えフレームも、結局は規制が入ったり、選手が「これじゃ長く続けられない」と気づいて、

 

徐々に寝た角度に戻っていったよね。

 

つまり、機能美の追求は素晴らしい。

 

でも「最速のためなら何でもあり」まで突き詰めると、優雅さは消えて、

 

無骨さどころか「異形さ」「痛々しさ」すら生まれてしまう。

 

それでも俺は思うんだ。


その無骨さの中にこそ、真の機能美が潜んでいるんじゃないかってな。


流麗なカーブを描く現代のエアロロードは確かに美しい。でも、かつてのオーブリーの蹲踞フォームや、

 

80度超えの競輪フレームを見た瞬間、心がざわついたあの感覚…

 

あれは「これが本気の速さか」と震えるような感動だった。美しさには二種類あるのかもしれない。


一つは「誰もが認める調和の美」


もう一つは「目的のためなら醜くても構わない」という、鬼気迫るような「機能の美」。

 

どっちが本当の機能美か?


正直、答えはないと思う。ただ、僕は時々、あの無骨な姿を懐かしく、美しくさえ感じてしまう自分がいる。

 

あなたはどう思う?


極端に特化した自転車、本当に「美しい」と思える?


それとも、やっぱりどこかで「違うよね笑」ってなっちゃう?

 

104サイクルでは「これぞ機能美と言えるフレームを設計してるよ」

 

ご依頼お待ちしています。

 

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PS 以前、海外の女性から

 

「小柄な私にぴったりなの」

 

とシート角度83度のフレームに乗った彼女の写真が送られてきたときに、唖然としたね。

 

誰だよ、海外に売ったの笑