6月18日午後14時、YAMAHA発動機から正式発表がありました。
この発表がある数日前に僕は耳にしていたのですが、正直驚きというよりかは『ついに来てしまったか』というのに併せて、寂しさや悲しみが強かったです。
僕が生まれる前からあったレーシングエンジン。
このエンジンが誕生していなければ、僕のカートライフはスタートしていませんでした。
今、レーシングカートを楽しんでおられるドライバーさんやプロのレーシングドライバーで活躍されている方もこのエンジンからレース活動をした人も多かったはずです。
2022年から押し掛けのKT100SDエンジンがSLカートミーティングでは基本的に廃止され(同日開催の独自クラスではSDエンジン引き続き使用可能もありました)セルスターター付きのKT100SEC使用が義務付けとなり、そのステージを主戦としているドライバーさんに大きな負担を掛ける事となりました。
同時にワコーズ製のYAMAHAブランド指定エンジンオイルや、2020年にはYAMAHA純正ノイズボックスの指定があったり、また2023年にはDUNLOP SL22スリックタイヤはYAMAHA専売と、ここ数年は【全てYAMAHAへの利益】が目に見えるレギュレーションが立てられていました。
個人的にはSDエンジンの廃止がカート人口の減少に輪を掛けてしまった気がしています。
簡単にSDエンジンからポン付けでSEC化する事が出来れば金銭的負担も【まだ】マシだったとは思いますが、ドライブ側のクランク交換をしなければクラッチを取り付ける事が出来ないのでエンジンのクランクケースをバラす必要があります。
完全に素人さんやホビーカーターさんに出来る技術ではありません。
僕自身もこの作業をする事は出来ず、当店本店のエンジンチューナーさんにお願いしているくらいです。
このSEC一本化レギュレーションになる前には、抗議文をYAMAHAやSLカートミーティング主催のSLカートスポーツ機構へ働きかけをされた方がいる事も耳にしました。
もちろんSEC化された事によって、コース上でのストップによる再スタートの安全性が向上した事や体力に不安のあるドライバーさんでもスイッチ1つでエンジン始動出来るようになったという良かった事もあったのは事実です。
僕自身も『押し掛けでスタートするのがかっこいい!いつまでも押し掛けしてやるぜ!』的な気持ちでしたが、30歳40歳と歳を重ねる毎に『押し掛けしんどい(泣)』となりセルスターターの有り難さを痛感した1人でもあります(笑)
とはいえ、モータースポーツの入門であるレーシングカートのSLカートミーティングで活動されているドライバーさんやホビーカーターさんの気持ちを完全無視したような形で【YAMAHAの利益】を優先したレギュレーション変更にも関わらず、この数年で撤退というのはただただ残念という気持ちでしかありません。
今回の一件について『転換期』や『時代の流れ』という人もいますが本当にそうなのだろうか?と思います。
関わり具合によって感じ方や考えが変わるのは承知の上ですが、数年前からYAMAHA発動機内でカート部門の赤字は噂されていたので、企業としてはどこかで区切りを付けるのは必要だというのも理解していますが、このような事態になる前に出来る事が沢山あったのではないかな?と思います。
もちろん、排ガス規制の強化も影響があったのでしょうね。
この件が発表となる前、TOYOTA製のGRカートが発表され『家族や親子でゴーカートを楽しんでね』という趣旨ではないかなと捉えられる企画も目にしました。
GR的には、そこからレーシングカートへという狙いも【多少は】あるのでしょうが、僕的にはTOYOTAのディーラーさんでミニバンを購入する際に、『親子でゴーカート楽しみませんか?このミニバンに〇〇万円追加してもらうだけで親子の時間共有が出来て楽しめますよ!お母さんもこの金額ならローンに追加良いでしょ?!笑顔でにこっ🎵』的な新企画で売り上げ増を狙っている感しかありません。
。。。ビジネスとしては本当に素晴らしいです(笑)
またプロドライバーの山本尚貴選手が代表理事となり、一般社団法人日本カート協会が設立されました。
選手の育成、カートのすそ野を広げる活動を。。。と記事に書いてありましたが、初めに取り掛かるのが【有望選手発掘夏合宿】
有望選手の発掘というのは、今活動しているドライバーさんがメインのはず。
もちろんこの活動も絶対必要だと思いますが、誰も今存在する【ローカルレース】の盛り上げに目を向けず注力を注いでいない気がしています。
ローカルレースがあるからこそ、そこを最初の目標にするドライバーさんが出て来たり、更に上のカートカテゴリーや四輪カテゴリーで活躍していく選手が増えていくのだと思います。
僕の力では業界の変革を行ったり、YAMAHAの後任を請け負ったりする資金力もないのですが、ただ1つ言えるのは【例え公認レースで使用出来なくなったとしても、何かしらの形で最後までKTエンジンを使い続け終わりを見届ける】ということ。
今のところは今後もSLカートミーティングのレースも継続開催されるとのことですが、2027年以降新しいエンジンが製造されないこと、またパーツに関しても【一定期間←ここが結構重要だと思います】供給されるようなので恐らく数年は大丈夫でしょうが、油断していたら慌ててしまう事になると思うので、日頃から常にアンテナだけは張り巡らせておこうと思います。
僕の人生半分以上関わらせてもらっているエンジン。
また人生のターニングポイントでも必要不可欠だったこのエンジン。
【鈴鹿だから集まっている】感は否めませんが、今週末の鈴鹿選手権は、KTエンジン使用のクラスが3クラス開催され総台数130台。
今週末のレースも引き続き大切に関わって行こうと思います。