重く、切ないことを重くないように書いてくれている作品。
母は、慎に弱い面を見せない。
物語は慎視点で語られているので、私たち読者も母の弱いところは見ていません。
表題作以外の「サイドカーに犬」もよく似た作品。こちらは、女の子が主人公だけれど。父親がダメ人間(笑)
サイドカー~が薫ではなく弟視点で語られていたならば、慎の話のようになったのだろうか。
洋子さんも慎母も、どちらもかっこいいね。
そして大人の事情って、難しいね。みんなが幸せになる方法なんてないんだということを思い知らされた感じの作品でした。