『古本食堂』

             原田ひ香

             ハルキ文庫


本の世界も電子化が進んでいますが、私はやっぱり紙が好きです。そして本屋さんが、とりわけ古本屋さんが好き。

たくさんの本が日々出版されているけれど、寿命は短い。売れなければあっという間に絶版となって、存在すら気づかなかった本たちに巡り会える場所だから。

この小説の舞台は神田神保町の小さな古書店。
急逝した兄の店を引き継いで北海道から状況してきた珊瑚と本好きの国文学科大学院生の美希喜と店を訪れる客とのエピソードが、珊瑚の薦める本とともに描かれています。

神保町は古書街でもありますが、グルメの街でもあります。
この小説には神保町の美味しい食べ物がたくさん登場します。それが物語のスパイスとなっています。