『はんぶんこ』
            杜  今日子  さく
            福音館書店

子どもの頃、「はんぶんこ」が嫌いでした。

ひとりだけで食べたいと主張するわけではなかったけれど、心の中ではそっと、「全部食べたい。そうしたらどんなにうれしいだろう。」と思っていました。

大人になってからは、少ししかない美味しいものを分けあって食べることがなくなったせいか、絵本の中で繰り返される"はんぶんこ"が新鮮で、思いの外楽しいほっこりが湧き出してきました。

湯気やいいにおいが感じられるほどの写実的な絵は「食べたい」気持ちを呼び起こします。
おかあさんと赤ちゃんはきっと、この絵本で食べるまねをしながら楽しい時間を過ごしているのでしょうね。

いいなあ。私もやってみたい。

少しだけ美味しいものを手に、大切にしていきたい人と一緒に近くの公園に行って、はんぶんこを食べながらのんびりするのも楽しいかも。

具が違うおにぎり3個とポットにほうじ茶なんていかがでしょうか。