『わたしたちよくやってる』
               山内マリコ
               幻冬舎文庫

「自分らしくあること」って、なかなか難しいことだと思います。

ジェンダー、社会や家庭内の役割、人間関係などすべてのしがらみを手放して自分らしくあることを選ぼうとすれば、多くのの確執を覚悟しなくてはならないだろうし、孤独も一緒に受け入れなくてはならなくなるでしょう。

そもそも「自分らしさ」ってなんだろう?とも思います。この年になっても私は明確には自分らしさというものがよくわかりません。

本書には短編小説、エッセイ、日常の一瞬のシーンからインスパイアされた掌編小説など、34編が収められています。

自分らしさを縛りつけているなにものかと葛藤しながら自分らしさを求めようとしている彼女たちには、共感できたりできなかったりといろいろだけれど、タイトル通り、毎日「みんなよくやってる」よなあと感じました。

私たちはもう少し自分を褒めてあげてもよいのかもしれません。