『騙し絵の牙』
監督:吉田大八
キャスト:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、斎藤工、中村倫也、佐藤浩市他
2021年3月公開
《ストーリー》
出版不況のさなか、大手出版社「薫風社」の創業一族の社長が急逝してしまった。
次期社長の有力候補者の1人である東松(佐藤浩市)は、収益の上がらない雑誌を廃刊にするなど、大きな改革を断行しようとする。
カルチャー誌『トリニティ』の編集長の速見(大泉洋)は、黒字化して廃刊から逃れようと、抜群のコミュニティ能力と分析力を武器に、誌面の刷新に乗り出すのだが…。
出だしから「何が起こるの?」と、画面にくぎづけでした。
息もつかせず、次から次へとアップテンポで急展開していくストーリー運びは、痛快そのものです。
生き馬の目を抜くような、東松と速見の策略の中で、もと文芸誌の編集部員の高野恵(松岡茉優)の真っ直ぐさが心に刺さります。
騙し騙されの世界に、芯が1本通った真があることで、虚構と現実が融合してリアルに面白い物語になっているような気がします。
原作も読んでみたくなりました。