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天童荒太さんの小説の装丁でずっと記憶に残っていた舟越桂さんですが、これまで作品を観たことはありませんでした。
写真だけでも十分なインパクトなのですが、間近で作品を見たらそれはもう「すごい」を超えた迫力でした。
見る人と決して合うことのない目線。
遠い眼差し。
キュッと結ばれた唇。
誰も触れることのできない、静謐で深い孤独の世界。
その一方で、家族のために作ったおもちゃを集めた展示室はユーモアと温かいまなざしに満ちていました。
「どちらも舟越桂さんから生まれたものなんだ。」そう思ったとき、なんだかよくわからない言葉にできないものが、目の前に大きく広がったような気がしました。