16
暗闇に慣れていた眼がだんだんと明るい空間に適応し始め、それにつれて眼の前の光景を理解し始めた
床に仰向けに倒れる母親、その母親にまたがる父親
母親の左目は紫色に腫れ上がっていた
『痛いっ、女性を殴るの
』
「やかましいんじゃっ
」
バシッ
バシッ
昌彦は目の前の光景が恐ろしくも悲しかった
そして気付けば僅かに開いていたふすまを半分程開け、母親の部屋に一歩踏み入れた場所で立ち尽くしていた
バシッ
『だ…誰か助けてーっ
』
母親は泣き叫びながら、父親から逃れようと手足をばたつかせながら、何かにすがるように周囲を見回した
そしてその時、この一方的な暴力行為を部屋の隅で傍観する昌彦の姿を確認した、二人の眼と感情が繋がった瞬間だった
床に仰向けに倒れる母親、その母親にまたがる父親
母親の左目は紫色に腫れ上がっていた
『痛いっ、女性を殴るの

』「やかましいんじゃっ

」バシッ
バシッ
昌彦は目の前の光景が恐ろしくも悲しかった
そして気付けば僅かに開いていたふすまを半分程開け、母親の部屋に一歩踏み入れた場所で立ち尽くしていた
バシッ

『だ…誰か助けてーっ

』母親は泣き叫びながら、父親から逃れようと手足をばたつかせながら、何かにすがるように周囲を見回した
そしてその時、この一方的な暴力行為を部屋の隅で傍観する昌彦の姿を確認した、二人の眼と感情が繋がった瞬間だった
15
―何で僕が殴られなきゃいけなかったのだろうか―
昌彦は心の底でそう呟いた
真っ暗闇の視界に、ぼんやりと景色が映り込んできた
薄暗い部屋、豆電球のオレンジ色の弱い光、そして枕
ここは小学校1年生の途中まで住んでいたアパート
そして自分の部屋のベッドの上だ
枕元に置いてあるアニメのキャラクター物のアナログ時計を見た
AM02:05
部屋の中をぐるりと一周見回してみる
漫画や恐竜図鑑ばかりが詰まった本棚、壁に掛けられたアニメキャラクター物のパズル、小学生用の小さな制服の掛かったハンガー
部屋の隅のふすままで見渡すと、ふすまは少し開いた状態で、若干外れてズレている
そしてふすまの隙間からは、薄暗い部屋には似合わない、何か誘われる強い光が射し込んでいた
―この光はお母さんの部屋からだ―
昌彦はその強い光に誘われるかのように、ベッドから降り、ふすまの隙間から母親の部屋を覗きこんだ
その瞬間
バシッ!!!!という音がふすまの向こう側から聞こえてきた
昌彦は心の底でそう呟いた
真っ暗闇の視界に、ぼんやりと景色が映り込んできた
薄暗い部屋、豆電球のオレンジ色の弱い光、そして枕
ここは小学校1年生の途中まで住んでいたアパート
そして自分の部屋のベッドの上だ
枕元に置いてあるアニメのキャラクター物のアナログ時計を見た
AM02:05
部屋の中をぐるりと一周見回してみる
漫画や恐竜図鑑ばかりが詰まった本棚、壁に掛けられたアニメキャラクター物のパズル、小学生用の小さな制服の掛かったハンガー
部屋の隅のふすままで見渡すと、ふすまは少し開いた状態で、若干外れてズレている
そしてふすまの隙間からは、薄暗い部屋には似合わない、何か誘われる強い光が射し込んでいた
―この光はお母さんの部屋からだ―
昌彦はその強い光に誘われるかのように、ベッドから降り、ふすまの隙間から母親の部屋を覗きこんだ
その瞬間
バシッ!!!!という音がふすまの向こう側から聞こえてきた
14
ガシャーンッ!!!!!!
殴り飛ばされたモノは教室の一番前の酒川の机に激突し、更に後ろの山田の机に激突した
『キャーッ!!!!』
この光景を一番間近に感じた朱野が、悲痛な叫びをあげた
教室中がどよめき、一部の生徒は混乱に乗じて教室からの脱出を試みようとした、が、唯一の出口である前の戸は完全に比我が邪魔になり通れない
この騒ぎを間近に目撃した誰もが、比我を押し退けて教室から出る勇気が出ないことは必然であった
そして逃げ出そうと席を立った者達はゆっくりと腰を下ろし、着席をした
そして冷静さを取り戻した彼らは思った、殴り飛ばされたモノは何なのか、朱野が殴られる直前に比我との間に割って入ったのは?
ロンティーや酒川や朱野達が心配して様子をうかがっている対象は、意識は無く、元々色白の頬は赤く腫れ上がり、いかにも軟弱そうな体は、背中を山田の机の足に預けた形でぐったりしている
姫沢昌彦だ
殴り飛ばされたモノは教室の一番前の酒川の机に激突し、更に後ろの山田の机に激突した
『キャーッ!!!!』
この光景を一番間近に感じた朱野が、悲痛な叫びをあげた
教室中がどよめき、一部の生徒は混乱に乗じて教室からの脱出を試みようとした、が、唯一の出口である前の戸は完全に比我が邪魔になり通れない
この騒ぎを間近に目撃した誰もが、比我を押し退けて教室から出る勇気が出ないことは必然であった
そして逃げ出そうと席を立った者達はゆっくりと腰を下ろし、着席をした
そして冷静さを取り戻した彼らは思った、殴り飛ばされたモノは何なのか、朱野が殴られる直前に比我との間に割って入ったのは?
ロンティーや酒川や朱野達が心配して様子をうかがっている対象は、意識は無く、元々色白の頬は赤く腫れ上がり、いかにも軟弱そうな体は、背中を山田の机の足に預けた形でぐったりしている
姫沢昌彦だ
