[行くぞ!連合隊。舵を取れ!]


圧倒的な兵力の前に立ちふさがる連合隊。

スキを伺いながら攻め立てる。


[どこかにあるはずだ。スキが。そこから乗り込むぞ!]ウイルスは中へ入れまいと抵抗する。


ジーンファーレンは見たことある光景だった。


それは大手の体質。大手は自己防衛の塊だったのだ。外敵には抵抗をし自己を守る。実際内部などカラッポだからだ。あるとしたら資金力だけ。それはジーンファーレン自身よく知っていた。だからこそ大手に媚びなかった。反骨心でここまできた。



もしかしたら…………ジーンファーレンは指示を出した。[全軍につぐ。できるだけひきつけるのだ。遠距離は避け至近距離から相討ちを狙え!][ジーンの指示に従え!彼の器量が見たい]




敵は抵抗をする。連合隊は一塊になり彼らの隙間を這うように進む。近づいて来た敵のみ射撃し後は回避する。ウイルス達はみるみる戦力を減らす。辺りはウイルスの残骸だらけだった。[行けるぞ!効果的だ。前方が空いたぞ。全軍!進め!]前方を一斉射撃する。


実弾はみるみるうちにウイルスのバリアを破る。次々に内部に進入する。



[ジーン。良い作戦だ。どこで思いついた?][ありがとうございます。大手の体質からヒントを得ました。彼らは内部反乱を嫌がる。だから外敵に厳しくなる。同士討ちを嫌がる体質。実は守りを硬くした時点でおおよその検討はついていた。奴らの体質に似ていると][なるほど。確かにな。連中の体質とウイルスを組み合わせたか。見事な器量だ。お前となら出来そうだ。ファーストインパクトは君の物だ。さて次は私の番だな]ウイルス達は司令塔の援護に回る。無駄な戦いは避けたいらしい。




………さあどうするメイン。彼らを蹴散らさないと後がキツイぞ……………[全軍。司令塔から逃げろ!奴らを泳がせるのだ!一塊にしろ!]連合隊は旋回し、道を開ける。ウイルス達は司令塔の回りに待機した。[全軍。彼らが動くのを待て。崩れ落ちたバリアを守りきれ。例のマシンを出撃させろ]…………例のマシン?メインには策がある。今のタイミングで出す秘策が。見せて貰おう



彼らの我慢大会が始まった。先に攻撃を仕掛けたのはウイルスだった。連合隊は回避する。[まだですか?ボス!][まだだ!まだ動くな]巨大な軍艦が後方から現れた。[全軍。道を開けろ!中に入るぞ]軍艦の操縦士はメイン。[ボス!メガキャノンですか?][そうだ!全軍。軍艦の援護を。被害に逢わない位置に着け][今だ、打て!]ウイルスの塊めがけてメガキャノンを放つ。



[我々も行くぞ!マナブ君。中核へ向かうのは今だ!奴が動いたぞ][ハイ!応えましょう][システム。オールグリーン。オーラバード出撃!][オーラバード?][我々のマシンだ。人間の想いを乗せて飛ぶ鳥。オーラの鳥だ。良い名前だろ?]




[交信する。ジーン。追い風が吹いている。我々は司令塔前を占拠した。いつでも乗り込めるぞ][ありがとうございます。メイン。我々も奥の手を出撃させている][この軍艦は攻撃力はあるが、機動力が落ちる。補給も出来る][我々が護衛しましょう。全軍。軍艦を護衛せよ!]




やるな。メイン。マシンの使い方を心得てる。さすがプログラムのボスだ。機動力のあるマシンで牽制し攻撃力のある機体を控えさせる。[ジーンファーレンより全軍に告ぐ。司令塔は抑えた。連中の指揮系統は今、破壊された。これより全軍。中核へ向かう!内部崩壊まであと一歩だ!行けー!][我々も行くぞ!後に続けー!]




圧倒的なタクティクスの前にウイルスは後退するしかなかった。セカンドインパクトはプログラム軍に軍配が上がった





続く