[第一小隊!出撃!奴らに風穴を開けろ!]


ジーンファーレンは声を荒げた。


作戦ルームには四人が揃っていた。


[マナブ君。見なさい。直に君も行くんだ][ハイ!彼らの戦い方を見ます]



[始まったか。野郎共!加勢するぞ!風はこっちに吹いている!攻め立てろ!奴らに一蹴報いるぞ!]歓声と共に赤い光が舞い上がる。プログラム達の光だ。



[リーダーより各機へ。我々の使命は人間の援護。1人でも多く内部に入れるのだ。彼らとて戦力を抑えている。次に備えろ]



白銀のマシンが人類のマシンだった。


[目標確認!これより任務に入る。ボス!彼らと交信を][わかった。やってみよう]




[社員。赤い光が近づいて来ます。落としますか?][待て。目標まではまだ遠い。警戒しろ!]




[ステンレス キャッスル社長、ジーンファーレンさん。そこにいますか][ウイルスか?何か用か?][我々はプログラム。人類がこの機械世界に残した遺産だ。これより貴公らを援護する。赤い光が我々だ][プログラム?遺産?…………説明して頂きたい。いったい貴殿方は?][機械保安法の名のもと集まった義勇軍だ。彼らと我々は違う。我々はウイルスを排除するために集まった。一緒に取り戻そうではないか?我々の世界を][こちらの指示に従ってくれますか?][固い話しは後だ。ジーンファーレン。協同戦線の許可を][断る理由を考える方が難しいですね。今、チームに連絡をします。少しお待ち下さい]




[第一小隊。こちらジーンファーレン。彼らは敵では無い。我々と協同戦線をしようと駆けつけてくれた勇姿達だ。これより共にウイルスを叩く][ボス。信用しても宜しいんですね][アア。こんな危険な賭けに乗ってくれた戦友だ]…………[こちら、プログラム軍。我々は君たちの援護をする。1人でも多く中に突入するのだ。風穴が少しでも開けばそこを攻める。一点集中攻撃だ。良いな。我々はチームだ][第一小隊。これより第一連合隊とする。彼らへの手土産にぶちかましてやれ!][ラジャー!第一連合隊。任務を続ける]



[ジーンファーレン。見事な軍師だ][ジーンで構わないさ。メインプログラムで良いのか?][メインで良いさ。ジーン。以後宜しくな。プログラムは人間が作ったシステムだ。どう使うかは君たち次第だ。我々の魂。君たちに一時、預けよう][有難い。そっちの世界なら詳しいだろ?メインの方が][アア。調べはついてる][ウイルス内部の様子は?][飽和状態だ。正直、彼らも今日が正念場だと考えている。重要なのはファーストインパクトだ。先手を取れば対応出来なくなる。そこにスキが産まれる][そのスキがセカンドインパクト。全てのポイントを取るのは不可能だ。だからこそ一点集中攻撃。やるなメイン。的確な指示だ。分散していては標的にされる。纏まっていれば犠牲は少なく済む][感謝はファーストインパクトの後にしてもらおうか、ジーン。まずは成功しなくてはな]



ジーンは考えていた。


メインとはビジネスパーソンとして馬が合いそうだな。作戦後に交渉してみるか。



機械の世界で自分と似た者を見つけたジーン。メインも同じような事を考えていたらしい。



黒い暗雲に近づいてきた。人間の白銀とコンピューターの赤色。見方によってはメタリックピンクに輝く連合隊。[始まるぞ!覚悟しろ!]




続く