彼の庭はとても色鮮やかや花達が咲いていた。
奥さんは行方不明になり、娘さんも家出したきり帰ってこない不運な彼であったが庭を褒めると
『本当に?あのへんなんか特に綺麗でしょう?娘に肥やしになってもらいました』
などと冗談が言えるほど明るく振る舞っていた。
この人がそんなことできるはずないと思えるくらい気のいい人である いや、そんなこと実際にしているはずもないのだが。
それでも街の一部は家族が都合よくポンポン消えるわけないとかあのひとは怪しいなどありもしない噂を立てる人々もいる。
『みんな家族を失った寂しさ悔しさなんかわかってくれませんよ、中には私がやったなんて大馬鹿者もいる。私がやるわけないでしょう?ふざけるにも限度があるんだ』
まあまあ落ち着いて、わかりますよとなだめる。
するとポロポロと大粒の涙をこぼしながら彼は言った
『シッチャカメッチャカ帝国の陰謀なんだ。今も見られている。君もスパイじゃないだろうね?』
違いますよ と丁重に否定する
『シッチャカメッチャカ帝国は恐ろしい所です。妻はきっとキャトルミューティーレイションされたに違いないんだ、中身の抜かれた財布みたいな空っぽの遺体は帝国の管理するダムにでも浮いていることでしょう』
『実は一年ほど前どうしても復讐してやりたくて帝国の兵士を三人ほどね、こっちがキャトルミューティーレイションしてやりましたよ。大腸がねいい肥やしになったのか綺麗な花が咲くんです。皮膚は小さな角にして鯉にやりました、鱗のツヤが違うでしょう?骨ばっかりはね形をとどめておくと不気味ですから砕いて海に流しました。これが帝国の奴らに宣戦布告のサインになるんですよ、聞いてますか?』
彼の近所では彼の奥さんと娘さんの他に行方不明者が更に三人いるらしい。
