はじめに
シフト後も予約表の字が目に残る。動物病院の受付で笑顔だけが評価され、眠りが浅い夜が続いた
ある夜、受付の蛍光灯を消しても、短いブザー音が耳の奥に残っていました。予約表の字をなぞった指先が、まだ冷たい気がします。
はじめまして、あまねです。街の動物病院で、予約と呼び出しの受付パートをしています。37歳。
飼い主の前では笑顔を作ります。でも、評価に残るのは、だいたい声のトーンと予約件数だけでした。消毒液の匂いと、同じ案内文を繰り返す喉の渇きが、シフト後まで続きます。
スタッフ用のLINEに副業のスクショが流れてくる夜。スタンプで返してから、胸の奥がきゅっとなる自分がいました。
今は、笑顔の回数だけで自分の価値を測るのをやめました。帰宅後は、ブログや記事の「何人が読んだか」「どこで離脱したか」という記録だけを見て、次の一行を決めるようにしています。
呼び出し番号札を束ねたあとでも、文章の記録は少しずつ増えていく。座ったまま、内緒で第2の柱を育てています。
CHAPTER 01
受付の延長だけの副業は、もうやめた
帰っても呼び出しの案内ばかり頭に残って、結局何もできない夜、ありませんか。
広告の「在宅」「未経験OK」は毎日見ます。でも、飼い主の前で声を張る仕事の延長みたいな副業は、もう無理だと分かっていました。
このまま件数だけを反芻する夜は限界でした。派手な保証には触れず、記録だけを見て順番を直す型を探していました。
CHAPTER 02
きれいな「症状チェック表」だけでは、誰も最後まで読まなかった
きちんと整えた「症状チェック表」だけを並べた記事は、最後まで読まれませんでした。
やけくそで書いた「ありのままの話」だけが、同じ受付で声を飲み込んでいた人に、最後まで読まれた。
能力が足りなかったのではなく、評価される場所がカウンターとネットで違っただけだと気づきました。
CHAPTER 03
端末のランプを消したあとも、柱ができた
今でも動物病院の仕事は続けています。今日辞めるつもりはありません。ただ、帰宅後に毎回つぶれる日が、減りました。
ブザー音を聞き続けなくても、ブログの読者数や記事の記録は、少しずつ増えていく。それだけで、次のシフト前を迎えられるようになりました。
最後に:呼び出し音を抱えたあなたへ
向いていないのではなく、笑顔と件数だけで測られる場所に、立っていただけです。
見ている場所を変えれば、夜はもう少し、軽くなります。
