はじめに
受話器を置いてもモニタの緑が消えない。コールセンターで笑顔だけが評価され、黙る夜が続いた
ある夜、ブースの明かりを落としても、モニタの待ち受けの緑だけが目に残っていました。受話器のフックを戻しても、耳当ての圧がまだ残っている気がします。
はじめまして、みつきです。保険の問い合わせ窓口で、受話と台本読み上げのアルバイトをしています。40歳。
客の前では、決められた声の高さで笑います。でも、評価に残るのは、だいたいオープニングの秒数とモニタリングのスコアだけでした。キューが鳴る音と、乾いた喉が、シフト後まで続きます。
チームのLINEに副業のスクショが流れてくる夜。スタンプで返してから、声が少し小さくなる自分がいました。
今は、笑顔の回数だけで自分の価値を測るのをやめました。帰宅後は、ブログや記事の「何人が読んだか」「どこで離脱したか」という記録だけを見て、次の一行を決めるようにしています。
台本を閉じたあとでも、文章の記録は少しずつ増えていく。座ったまま、内緒で第2の柱を育てています。
CHAPTER 01
台本の延長だけの副業は、もうやめた
シフト後も冒頭の一言が頭から離れなくて、結局何もできない夜、ありませんか。
広告の「在宅」「未経験OK」は毎日見ます。でも、マイクの前の延長みたいに声を張る副業は、もう無理だと分かっていました。
このままスコアだけを反芻する夜は限界でした。派手な保証には触れず、数字だけを見て順番を直す型を探していました。
CHAPTER 02
きれいな「対応例」だけでは、誰も最後まで読まなかった
マニュアル通りの「対応例」だけを並べた記事は、最後まで読まれませんでした。
やけくそで書いた「ありのままの話」だけが、同じブースで黙っていた人に、最後まで読まれた。
能力が足りなかったのではなく、評価される場所がモニタとネットで違っただけだと気づきました。
CHAPTER 03
卓上マイクの横でも、柱ができた
今でもコールセンターの仕事は続けています。今日辞めるつもりはありません。ただ、帰宅後に毎回つぶれる日が、減りました。
キューの音を聞き続けなくても、ブログの読者数や記事の記録は、少しずつ増えていく。それだけで、次のシフト前を迎えられるようになりました。
最後に:モニタの緑を抱えたあなたへ
向いていないのではなく、笑顔と秒数だけで測られる場所に、座っていただけです。
見ている場所を変えれば、夜はもう少し、軽くなります。
