うふふ、今回は娘ちゃんの自信のなさの原因を書いてます
そして、彼に恋をした気持ちを。。。
一緒に『きゅんきゅん』してくれたら嬉しいです

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「この者は医仙と同じ天界から来ましたが、王様のお役には立ちません!
よって皇宮には不要な者・・・
出て行かせては、いかがでしょうか?」

チョ・イルシンが得意気に喚いているのは、重臣が一堂に揃う御前会議でのこと

イルシンの目配せで、イ・ジェヒョンが小さく頷き立ち上がった


「王様、神の手を持つ医仙とは異なり、この娘・・・何も役にも立ちませぬ
このような者に皇宮を彷徨かれ、何か外に漏れでもしたら大事です。

皇宮から追放するのが、最善の道と重臣一同の意見でございます」





会議の場に呼ばれたとき、嫌な気がしたの

王様の前に立たされた私は、両横に居並ぶ重臣達からの目線が突き刺さるみたいだった

そして、イルシンという・・・前から私を皇宮から追い出せと言ってたオジさんが、騒ぎだした


『役に立たない』・・・この世界についてから、ずっと言われてた言葉・・・・


「医仙様とは違い医術も出来ず、医仙様とは雲泥の差の容姿・・・
王様や王妃様のおられる皇宮に、相応しい者とは思いません!」



・・・・・・・・・・泣いていいかな?

そりゃ、ウンスさんみたいな美人じゃないけど、私だってそんな風に言われるほどじゃないよ!!!


可愛いって、言ってくれる人だっていたんだから・・・・・・


でも、そうだよね・・・・・

ウンスさんと比べたら、私なんか・・・・


私なんか・・・・・



あのとき、奉恩寺で 声なんかかけなきゃよかったよ・・・・・・


ショックで、頭の中が真っ白になった私は、自然と目が熱くなってきて・・・

泣きそうになってる自分が、ものすごく惨めに思えた



この世界で、自分の味方は誰一人いなくて

身体が震えそうなほどの不安が襲ってきた


・・・・・私、これからどうなるの?


ここを追い出されて、どこに行けばいいの?


どうやって生きて行けば、いいの?



とうとう涙が溢れてきた顔を隠したくて、下を向いた私に誰か近づいてきた気配がしたの

顔を上げずにいた私の目に、黒い靴と赤い衣が見えた


え?  これって・・・この衣装って、まさか?


「心配せずともよい・・・儂がお前の世話をしてやろう」

私にしか聞こえないような小声の、猫なで声で言ってきたのは・・・・・イルシンだった


「前から気に入っておったのだ
屋敷に連れ帰ってやるから、儂のものになるのじゃぞ?」
「え?  い、い、嫌です!」

「何を言うか!  ここを出されて行く所があるのか?  ないであろう?
儂等の言う事を聞くんだ!」

「あの?  儂らって?」
「ほほほ・・・   儂とジェヒョン先生で、可愛がってやろうな〜〜〜
天界の女人を我が物とできるなど、国に戻ってよかった・・・

医仙はどうにもできぬが、お前ならば儂等で可愛がることができよう・・・」



・・・・・・ゾッとした


目の前のイルシンの目が、欲望でギラついてきたのに、鳥肌のたつ嫌悪感で身が竦んだ・・・・・


そして私の視線を受けたイルシンが、わずかに顎で示した先には、さっき私を追い出せって言ってたお爺さんが・・・・・



・・・・・・・イルシンみたいに欲でギラついた目で私の身体を、見てた



あ・・・・やだ・・・やだやだやだ!!!



行き先がどうだの、これからどうすればいいかとかの不安が、この2人の男に好きにされる自分が浮かんで、心の底から嫌悪感でいっぱいになった


・・・・・助けて!!!



だれか、助けて・・・・・・



心に浮かんだのは、彼、だった


いつも、穏やかな目をした人・・・


お茶を淹れてくれて、話かけてくれる彼だったの・・・・・



「お待ち下さい・・・娘は典医寺で引き受けます」

穏やかな、でも強い意志を持った声がこの場に響いた


「その娘は、典医寺で誠心誠意 働いています。何も知らなかった娘は寝る間を惜しんで学び、今では薬湯を煎じています

・・・その娘は、典医寺に必要なのです」


・・・・・・・私を、必要と?

役立たずと言われ続けた私を・・・・


あなたは、必要と言ってくれるの?


私は・・・・・このときに、あなたに恋をしたのだと思うの


二度とないほど、恋し、愛しいと想う心は、あなただけなの・・・・・





そのとき思わぬ人からも援護射撃がありました



「その娘は、医仙殿の手術のあと、献身的に私を看病したと聞いています
侍女の一人が私を裏切り命を狙っていたのだが、献身的に看病する娘がいたから
私を狙えなかった・・・

私は娘がいたから命を救われたのだ!」


・・・・・・王妃様、ありがとうございます


「アンタ達ね、役に立たないとか失礼な事ばっかり言ってるけど!
こんな世界に無理やり攫われてきた私が、こうやって落ち着いて生活できるようになったのは、この娘が食事や心のケアをしてくれたからなのよ!!!

役に立たないとかってのはね〜〜、文句ばっかり言って王様を困らせてるアンタ達の方でしょう!!!」


ウンスさん、ありがとう・・・・でも、ちょっと言い過ぎかも・・・

でも・・・・・すごく嬉しいよ♡



「連れてきてしまったのは、俺です
もし皇宮を出されるのなら、チェ家でお世話をします」

「私に付かせて、尚宮見習いにします」


隊長さんも、チェ尚宮様も、ありがとうございます!


こんなに・・・こんなに私を思って言ってくださる方がいるんだ・・・・・


胸に込み上げる感謝に、また涙が溢れてくるけど・・・・・私は、グイッと涙を拭って王様を真っ直ぐに見たの



「何か思うところがあるだろう、言うてみなさい」

王様から発言の許可をもらった私は、落ち着いて息を吸った


「王様、私は今まで通り・・・典医寺にいたいです」
「そうか、侍医の話では 其方はもう典医寺では無くてはならぬ人だと聞いた

・・・・・・・頑張りなさい」

「はい、ありがとうございます」


そのあと、王様が私を典医寺の薬員にしてくれて、ずっと居られるようにしてくれました






御前会議が終わったあと、イルシンとジェヒョンが二人だけでコソコソと誰も来ない部屋で会っていた

「ちっ!!!   天女を我が物とできるかと思うたに・・・」
「儂はあの娘の・・・艶々とした真白き肌を好きにしたいのだ・・・」


「いずれ、機会が回ってきましょう」
「・・・・・待つとするか」

残念がりながら空き部屋から出てきた二人が廊下に消えていった





そのあと、現れたのは・・・・・愛用の扇子を固く握り締めたチャン侍医だった


そのときは、娘を守ろうとしましたが・・・・・・


実際は、医仙への想いに苦しんだ私を・・・・


襲われて斬られるところを・・・・


お前は身をもって救ってくれたな・・・・


今、お前は・・・・・典医寺で、宮で、ぱたぱたと忙しく働きながらも、微笑んでくれるのだ


「チャン侍医〜〜」

春の陽射しのように暖かな笑顔は、典医寺にとってもう無くせないほど必要なものです


そして、私にとっては・・・・・



「お前がいなければ、生きてはいけぬ」

心から、そう思うのですよ・・・・・


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娘ちゃんの「恋が、はじまった日」はいかがでしたか?
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