ウンスさん、面白いことを思いつきました
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晴れた日の窓辺で、天女が物憂げに頬杖をして
遥か彼方へ視線を向けている・・・・・
「きれいだなぁ・・・・・」
警護のトクマンが、窓を眺めているウンスを見て
その美しき光景に、ぼうーーっとしていた
だが、とうのウンスはといえば・・・・・・
・・・・・・・・・・・暇だわ
リオンはチャン侍医と新しい韓方薬の配合を考えてるし、チェ・ヨンは、近衛隊を鍛えに行ったし
典医寺に急患も運ばれてこないし・・・・・
私はいま、することがなくて・・・・・
「暇なのよ〜〜〜・・・・・・」
窓の外の黄色い小菊が、風で揺れてるわ
黄色い・・・・・・小菊・・・・・・・
「あの花って、子供の頃に花占いしたら面倒だったのよねぇ〜〜〜
花びらが細かいし、一枚づつが面倒になったわ」
・・・・・・・ん? んん? あらら???
いいこと、思いついちゃった♡
私は窓の外で、小菊を切って・・・・・お出かけよん♡
籠に小菊を入れた私は、近衛隊の兵舎にやって来たの
〜〜〜 チェ・ヨンの場合 〜〜〜
「・・・・・・・・で? 某に何をせよと?」
「花占いよ〜〜〜! したことないの?」
「花・・・占いですか?」
「そうよ! 思う相手をね、頭に浮かべるの!
そうして、花びら を一枚づつとるのよ!
・・・・・・・・こうやるの」
俺にそう言った医仙は、自分の腕にかけている籠から小菊を一輪、手にとった
「こうやって・・・『好き』『きらい』『好き』『きらい』ってね! どう?したことある?」
医仙の白い指先が、小菊の花弁を ぷちぷちと むしっていく
「そして、この花の最後の花弁が『好き』なら、相手もあなたを『好き』になるのよ♡」
「・・・・・・相手も、好きに?」
「ええ、そうよ!(だったわよね?)」
何か考えていたチェ・ヨンだけど、おもむろに私に手を差し出したの
・・・・・・・・・・すき、きらい、すき
ぷち・・ぷち・・ぷち・・ぷち・・ぷち・・
回廊の端、人目のつかない場所に座り込み、花をむしっていく近衛隊長チェ・ヨン・・・
だが武人の手は、力強く大きい・・・・・・
思わず、小菊の小さな花弁を・・・何枚も同時にむしってしまう
「ちっ! まただ!!!」
新しい小菊をと、手を伸ばしても・・・・・なかった
「典医寺に生えてたな・・・・・」
俺は腰を上げ、典医寺に向かった・・・・
後には、チェ・ヨンが座っていた場所に、小菊の花弁が散らばっていた・・・・
〜〜〜 チャン侍医の場合 〜〜〜
「ねえ、チャン侍医〜・・・・こんなの知ってる?」
この頃、分かった事があります
この様な顔をした医仙殿には、近づかない方が良いのです・・・・・
ですが、楽しそうな陽気な医仙殿を、どうして拒めるのでしょうか?
「何を、でしょうか?」
「花占いよ! 花占い!!!」
こうやって花びら を一枚づつむしるの!
そのときに『好き』『きらい』『好き』『きらい』って唱えるのよ〜〜〜
そして、最後の花びら をむしるとき、『好き』だったら・・・・・
「好きな相手が、あなたを『好き』になるのよ」
「好きな相手が、私を・・・好きに?」
「そうよ〜〜〜! これは天界でも流行ってるのよ!( 子供にだけど・・・)」
チャン侍医は、説明してる途中でもう始めちゃったわ!
ぷち・・ぷち・・ぷち・・ぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷぷち
「チャン侍医、早いわよ! もっと慎重にしないと!!!」
「あ・・・・・つい」
薬草の仕分けなどで慣れているので大丈夫です
私は何枚も一緒にむしったりは致しません
ですが・・・・・・ああ!!!!!!
『きらい』で終わってしまいました・・・・・
「これは一本だけしかできないのですか?」
「ううん、何度でもできるわよ!」
ほっとしました・・・・・・
私は小菊を積み、中庭で花占いをしたのでした
ぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷち・・・・
・・・ぷち・・・ぷち・・・ぷち・・・
ん? 何か音が遅れてしますが・・・私の他にも花占いを?
横を向けば、隊長・・・・・あなたでしたか
摘んだ花を間に挟み、隣同士で『花占い』をする私達は、一体どう見えるのでしょうか?
・・・・・・・・なんだ、この光景は?
私は鍼についてチャン侍医に聞きたいと、探していたんだが・・・・・
トギさんが中庭に入ると、身振りで教えてくれたから来たんだが
・・・・・・・大柄の男が、2人
中庭で大量の花をむしっている・・・・・何故?
俯いて・・・・・というか猫背になってる大柄の男2人
その足元には黄色の花弁が山となって、足元に落ちている
なかなかに、シュールな絵だな・・・・・
「あ、リオン! こっちに来て♡」
「どうしましたか、姉上」
近づく私に、ニンマリと笑った姉上・・・・・
ああ、あなたが元凶ですか・・・
その楽しそうに企んだ顔・・・ 好きですよ♡
「はい! リオンもしてみる?」
「・・・・・小菊で何を?」
「花占いよ! したことあるでしょ?」
「ありませんが・・・」
「え? ないの? 」
「はい・・・ 」
「じゃあ、やってみたら? さあ、さあ、さあ!!!」
すごい勢いで姉上から手渡されたのは、一本の小菊
「花びらを1枚1枚、好きな相手を思い浮かべながら摘んでいくの!
『好き』『きらい』『好き』こうやってね」
「それで結果は?」
「一番最後の花びらを積むときの言葉が、『好き』なら、相手もあなたを『好き』になるのよ!」
「ふぅ〜〜〜ん(何とも、胡散臭いな)」
「さ、やってみて!」
私は渡された小菊を、じっと見ていた
「さ、リオンもどうぞ!」
どんな反応するのかしら???
私はリオンがこの花で、ぷちぷちと花占いをする様子を思い浮かべて、笑顔になるの
だって、あの!リオンよ?
冷静沈着、豪胆でありながら繊細なリオン
見た目はゴージャス美人! なのに、中身は男前!
そのリオンが、普通の女子のように花占い・・・
なんだか見て見たいじゃないの〜〜〜
いつも気を張り巡らせているリオンが、少しでも息がつけたら・・・・・
リラックスって、大事よ! うんうん!
さあ・・・どうするの?
リオンの指先が花に向かう・・・・・
リオン様の指が、花へと向かいます
リオン様、あなたも花占いを?
・・・・・・誰を、思ってですか?
・・・・・・誰に『好き』になって欲しいのですか?
・・・・・・ズキン!!!
あなたが誰を思うのか、考えただけで心の臓が痛みます
・・・・・・・誰を、想ってられるのですか?
花に近づいたリオン様の指・・・・・・
リオン様の指が・・・・・・
指が・・・・・大変なことに・・・・・・・
リオン様の指は・・・・・
いえ、手は花を上から【 ぐわしっっ!!! 】と、掴んだのでした
小菊の花を全て手の平に納められたリオン様
「・・・・・好き」
そう一言、呟かれたと思えば・・・・・・
【 ぶちぶちぶちぶちぶちぶち・・・・・・・】
一気に、全ての花びらを・・・ むしってしまいました
「これで『好き』で、終わっただろう」
その手の中に、黄色の花弁を閉じ込めたリオン様
ぱくぱくと、口を開け閉めしている 医仙殿
そして・・・・・・
「くっくっくっ・・・・・」
肩を震わせ 笑う隊長・・・・・
「姉上♡」
ニヤリ、と笑われたリオン様が、その手の中の黄色い花びらを・・・・・
ゆっくりと開いた手の平の上
一陣の風が、はらはらと 花びらを舞いあげ、医仙殿に向かって・・・・・・
「あ・・・・・花のシャワーね♡」
「ええ・・・ 」
私と隊長の足元にあった花びらも、風が巻き上げ・・・・・舞い踊ります
風に誘われ、揺らされて・・・ 小さな花びらが風と、踊っておりますね
その風は、上へ吹き上げ・・・・医仙殿の周りを回り・・・・・その紅い艶やかな髪に寄り添いながら・・・・・
「・・・・・美しい・・・・」
ぼそり、と呟いた隊長の言葉は、まごうかたなき彼の心からの声なのでしょう
「うふふ・・・・・キレイ♡」
無邪気に微笑む医仙殿は、天女の美しさで・・・
柔らかな午後の日差しに、夢の様に美しい光景なのでした
「でも、この花びら・・・どうするの?」
「そうだなぁ・・・・・ソンファ♡」
『なぁーに? 何かご用?』
「ああ・・・・・・ごにょごにょ」
『うふふっ! 楽しそう〜〜〜♡』
「じゃあ、頼むぞ ソンファ!」
『ソンファにお任せ〜〜〜♡』
ソンファが笑いながら空へと昇って行く
そのあとを小菊の風が、ふうわり と追いかけていった
「あの風は、何処へ向かっているのですか?」
「・・・・・花とは無縁の御仁のもとだ」
「・・・・・どなたでしょうか」
『どっこかなぁ〜〜〜! ・・・あ!いた!』
上から見つけたソンファが、ニンマリと笑った
『うふふ〜〜〜! プレゼント♡』
小さな手を、ちょいっと動かせば、小菊の風がソンファの横を通り過ぎて行った
そして、ソンファの横を通った辺りから、ぐん!っとスピードを増して行った
【 ごおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーー 】
「・・・・・・何の音だ?」
「見て参ります」
さっと立ち上がり、外の様子を見ようと扉に手をかけ・・・・・・開いた
【 ばああああーーーーーんんんっっ 】
【 ごおおおおおおおおおおおおおおお】
いや、開こうとした扉が、向こうからの勢いで、観音開きに開いたのだ!!!
壊れるほどの勢いで、開いた扉がすごい音を立てたと思えば
その全開の扉を、ぐるぐると回転しながら入ってきたのは、黄色い暴風!!!
「ぐわぁぁぁああああああーーーーーーー」
「ひぃぃぃぃええええええーーーーーーー」
その黄色い暴れ風は、執務室をめちゃくちゃに掻き回した
広げた書状が乱れ飛び、書類が舞い踊り、衝立さえ転がっていく
そして、部屋の中にいた2人が、頭を抱えうずくまり やり過ごそうと肩を寄せ合い耐えていた
「・・・・・・・やんだか?」
「その様でございます」
「今のは、何だったのだ?」
「それは・・・わかりません」
そろり、そろり・・・ 頭を出し、辺りを伺えば・・・・・
辺り一面、黄色く染まっている
「府院君様、頭が・・・・頭が・・・・・」
「何だ! わしの頭が、何だというのだっっ!」
「黄色くおなりです」
「へ?」
「それをいうならヤンサよ、其方も黄色いぞ!」
小菊の花びらに まみれた府院君とヤンサ
「ふっ・・・・・ふはははっ!」
「ほほほ・・・・・」
「面白い! 何かは知らぬが、面白いぞ!!!」
「そうでございますね」
そうして、小菊の黄色い花びらまみれになった2人は、笑いあっていたのだった
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暇なウンスさんの楽しい企みでした♡
では、明日からしばらくお休みさせていただきます♡
戻りましたら、よろしくお願いします♡