ウンスさんのターンです

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私とチェ・ヨンは、遅くに皇宮に戻ったの

トルベさんが言うにはリオンはチャン侍医と帰ったと聞いたんだけど・・・・・


私は住居にあてられた離れに戻って、リオンの部屋をノックしようとして・・・・


「あ、医仙殿!」
「シン君・・・・どうしたの?」

扉をノックしようとした私だけど、その前に扉が開いて、中から焦ったシン君が飛び出てきたの


「リオン殿が・・・ひどく魘されてます」
「え?   診るわ」


中に入って寝台に寝ているリオンを見れば、汗をかいて、息を荒くしている・・・


額にふれれば・・・・・熱だわ!!!


「シン君、急いでチャン侍医を呼んできて?」
「わかりました!」

身軽に飛び出していくシン君・・・・・すぐにチャン侍医が来たから驚いたけど・・・・


きっとリオンが心配で 近くにいたのね・・・


脈を診ていた私だけど、脈診はまだ苦手なの

チャン侍医に場所を譲り、彼に診てもらうわ



「・・・・・・やはり、熱が出ましたね」
「分かってたの?」


そこでチェ・ヨンを止めようと割って入った時に、リオンが酷く怪我をしたと知ったの


「刀を受け止めたくらいで  そんな怪我を?」
「相手はあのキ・チョルです。 ・・・きっと内功の力も込めていたのでしょう」


「大丈夫かしら・・・  リオン」
「眠られる前に一度、薬湯も飲んでおられますゆえ・・・これ以上は酷くはならないと思いますが・・・・・」

薬湯を煎じてくると出ていったチャン侍医


私はリオンの汗を拭っていたの


「なにこれ!  両腕が包帯でぐるぐる巻きじゃないの・・・・・」

捲った掛布の中にはリオンの腕があって・・・・


手首から肩まで包帯でぐるぐる巻きに巻いてある様子は、痛々しくて・・・・・


そっと、その包帯に触れると・・・・熱いわ


私が止めたいと頼んだから・・・


私1人で行けば良かったのに・・・・・


リオンに頼めば、この子は1番負担の多い事を自分に割り振るのよ・・・・・


知ってたのに・・・・・私は、知っていたのに!


ポロポロと涙が溢れてくるけど、今は泣いてる場合じゃないのよ、分かってるの ウンス!!!


私は涙を拭って、両頬を『パンッ!』と叩いたの


怪我からの発熱なら、今夜が峠ね

私は桶に水を入れて持ってこようと部屋を出たの


ちょうど薬湯を持ってきたチャン侍医と廊下で会ったんだけど・・・


あら?  チェ・ヨンが言ってたこと本当みたいね


ポーカーフェースが得意なチャン侍医は、王妃様の手術のときも、表情なんか1ミリだって変わらなかったのよ!


その彼が、くすっ・・・真剣で、焦ってる雰囲気を纏ってるの!


いくら鈍感な私でも、分かるわ〜〜〜!!!


「医仙殿、リオン様の様子は」
「汗がひどいから水で冷やしてあげたいの。桶に入れて持ってくるわ」

「お願いします。  私はこの薬湯を飲んでいただきます」
「じゃ、行ってくるわ!」




「リオン様・・・  薬湯を飲めませぬか?」
「・・・・・チャン侍医、夜中なのに世話をかけるな」

「このくらい、何ともありませぬ」

熱でぐったりとしているリオン様を支えて、身体を起こした私は、薬湯を入れた碗を差し出します

ゆっくりと飲まれるリオン様が、全てを飲み干されて・・・・・ほっといたしました


「ひどく汗をかかれておりますね、医仙殿に着替えさせていただきましょう」
「・・・・・姉上が、戻ってるのか」

「はい、もうじき来られます」



「そこにおられるのでしょう?  医仙」
「あは・・・気づいてた?」


だって、なんか雰囲気が・・・・・入っていけない感じだったのよ〜〜〜


・・・・・チャン侍医の目が、とにかく優しいの


もちろんリオンを心配してるって感じは、チャン侍医の全身からバシバシ出てるわよ!!


でも・・・リオンを支える様子とか、起こす時とか、薬湯を飲んでる間とか・・・・・


・・・・・決め手は、薬湯を全部 飲み干したときね!

見ているこっちが蕩けそうな目をしてるのよぉ〜



それ見て私、柄にもなくドキドキしちゃったわよ!!!



元気になったらリオンに聞かなきゃね〜〜〜



私はリオンを寝間着に着替えさせ、寝台に寝かせたの


水桶の中で手拭いを冷やし、リオンの額に乗せれば・・・・・


「は・・・・・」
気持ち良さそうなリオン・・・


「今夜は私に看病させて下さいませんか?」
「チャン侍医が?」

「ええ・・・シン殿のことお願いします」
「それはいいんだけど・・・・・」

「お願いします!  この様なリオン様を放っては、どうせ寝付けないでしょうから」


んまっ!  熱い視線ね〜〜〜


よし、分かったわ!!!


リオンをこんなに真剣に想ってるチャン侍医だもん、彼に任せるわ!!!


「じゃ、お願いします」
「はい、お任せを・・・」


私は、そっとシン君と部屋を出て・・・自分の部屋に戻ったの


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「それでリオン様は?  熱は引いたのですか?」
「ええ、今朝はケロリとお粥を食べてたわ」

皇宮の広い庭の中でチェ・ヨンと会ってるんだけどね


あれから私、よく考えたのよ・・・

そもそもの発端は、チェ・ヨンが自分の命をドブに捨てる様なことをしたからでしょ?


「・・・・・どぶに」


で、チェ・ヨンがそんな事をしたのは、王様や、民や、私のためだった

だったら、私が・・・この人が二度と無謀な事をしないよう、そばにいて見張ってればいいんじゃない?


うん!  我ながら良い考えだわ!!!


「だから私達、パートナーになりましょう?」
「・・・・・・だから とは?」


うるさいわね、男がそんな細かいこと気にしないの!

「今の私の目標はキ・チョルの持ってる手帳よ!
チェ・ヨンさんは王様をキ・チョルから守りたい・・・でしょ?」
「ええ、目下の任務は・・・」

「キ・チョルが素直に手帳を渡すわけないし
王様に力をつけてもらって『医仙に手帳を渡せ!』って、言ってもらえればいいじゃない!」


この方は・・・何もせず大人しく皇宮に居るという選択肢は無いのか?

・・・・・ないな、この方に限って、ない!



「つまり、私達の目指す所は1つ・・・
観念して私の『パートナー』になって!」
「・・・・・・」


・・・・・・・また、何を言いだされるのか

ぱぁと なぁ・・・・・とは、何だ?


「意味は?」
「1つの目標に向かって一緒に戦う相棒よ!」

「相棒・・・」


それから医仙は、相棒の条件とやらを色々出してきたが・・・・・

元気になれば、かしましい方だ



「1つ!  お互い秘密はナシよ!
今みたいに相手と何処かへ行くときは、『どこへ』『なぜ行くのか』を、言うの!」
!」

「・・・・・康安殿にお連れします
医仙殿を王妃様のもとに置いていただくよう頼むつもりです」

「いいわ!  その調子よ!」
手を叩いて喜ぶなど、あなたという方は・・・


「条件その2!   パートナーはお互い守りあうこと!」

互いに、守りあう?

これには直ぐさま反論なさる・・・・ああ、全く賑やかしい・・・


「言ったでしょ?  一緒に戦うの!
だから相手に黙って1人で戦ってはダメなの!」



・・・・・・・今回の件で  よほど俺は、あなたに心配をかけたのですね


俺が無茶をしないか、自分で止められないかと、案じられたのでしょう?


その結果が、俺と・・・・相棒になるということ

そうなんですね・・・・・


胸が・・・   いや、心の中が・・・・温かい


こそばゆくなる様な感覚もありながら、だが俺は・・・・・・この胸の温かさを、噛み締めていた



「承知しました、ただし・・・あなたも誓ってください
俺に黙って  どこにも行かぬと・・・」

「いいわ、じゃあ 握手!」

差し出された手を出し見ながら、俺はその手に触れられない・・・・

天界ではどうか知らないが、ここでは男女が容易く手を握りあうなど、ないのです!!!


「交渉成立、よろしくって意味もあるのよ!
さ、ほら!」

躊躇う俺の手を掴んで、自分の手と強引に握らせた医仙・・・・・


後ろにはトルベとテマンが 騒いでおるに・・・




「お互い助け合うのですね!
・・・それでは私の体面も 守って下さいますか?」


ここで初めて回りをみた医仙・・・・・


すでに、遅し・・・・・か


あとでトルベとテマンに口外せぬよう、言っておかなければ


・・・・・・無駄か?


さすがに医仙も、バツの悪そうな顔をなさっていた


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ヨンさんとウンスさんの後ろで、動いてるトルベさんの顔が・・・・・リアクションが楽しいです♡