久々の乙女侍医、炸裂(笑)

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「・・・・・つっ」

小さな声が聞こえた・・・それがリオン様から聞こえた私は、すぐにそばに寄りました


「診せて下さい」
「大した事ない」

「いいえ・・・・・痛むのでしょう?」
「ふっ・・・チャン侍医にはバレるな」

リオン様を座らせ、私はその前に片膝をつきます


片腕ずつ、手首から肘、二の腕までを触診いたしましたが・・・・・

「これは酷い、右手首がこんなに腫れています
それに・・・肩までの筋を痛めてらっしゃいますね」

「見かけによらず  馬鹿力だったからな、あのオカマ」
「反対の手を・・・・・こちらも痛めておられます。右腕より酷くはないですが・・・」

「典医寺に帰ったら湿布でも貼るよ」
「帰りは私と馬に乗って下さい」

「あまり大袈裟には・・・」
「いけません!   この様な怪我は甘くみると後遺症が残る時もあるのです!」


「もう隊長は大丈夫です、典医寺に帰りましょう」


両腕を怪我されているのです、一刻も早く手当を!!!


・・・・・・・痛むのでしょう?  


今も眉根を寄せて険しい顔をされておられます

帰れば鍼と灸で、すぐに痛みを取って差し上げねば・・・・・


そうだ、これ程の怪我、熱が出るやもしれぬ

薬湯も飲んでいただいて・・・・・


そう算段する私の耳に  「くすくす・・・」という可愛らしい笑い声が・・・

見上げればリオン様が、微笑んでらした


「どうされましたか?」
「いや・・・  こうやって人に心配されるのも、いいものだな・・・」


ええ、あなたは医仙殿やシン君や、此度は隊長まで心配されてました


・・・・・・・いつも、人の心配ばかりされて


豪胆だとか、男らしいとかいう者も後を絶ちませんが、本当のあなたは とても・・・とても・・・


・・・・・・・お優しいのです


「私くらい 心配させて下さい、あなたを・・・」
「・・・・・・私を?」



・・・・・あなたを お慕いしている私くらい



「・・・・・・チャン侍医?」
「・・・何でもありません。  馬を引いてきます」


・・・・・私は、今何を・・・言おうとした?


いけない・・・  私は自分に誓ったはずです

この想いを、あの方には伝えないと・・・


その代わり私は、あの方の『信頼』を得ているのだから・・・



「一緒に行こう・・・  」
「ここで お待ち下さい、お身体に障ります」

「けっこう遠いだろう?  馬まで・・・話し相手くらいはできるぞ」
「・・・・では、ゆるりと行きましょうか」


忘れていましたが、リオン様は・・・・言い出したら  きかない方でした


夜道をリオン様と歩く私は、どこか障りはないかとリオン様を見ながら歩いてます


「それにしても・・・強かった」
「お辛くはないですか?」

「ああ・・・  ゆっくりなら大丈夫だ」


私達は、典医寺のことなど世間話をしながら馬のいるトクマンとトルベの所まで行きました


途中、ナギョンという者がいた場所を通ったのですが、その者はもう居りませんでした


「リオン様、お怪我をされたのですか?」
「ああ、大した事ないのだが・・・」

トルベがいち早く、リオン様の様子を見てとるとは・・・・・中々、侮れぬ奴です

「馬を使っても良いか?」
「ええ、どうぞ・・・」

トルベが馬の手綱を差し出すが、今のリオン様には腕を上げる事もままならぬ筈


私が受け取り、リオン様が馬に乗ろうとされて・・・・・・・





「・・・・・チャン侍医、乗れない」



途方にくれた様に、私を呼ばれたのだが・・・・

ああ、ああ、何という喜びだろうか・・・・・


あなたはトルベでも、トクマンでもなく、私を呼んで下さるのですね


「その様な顔をなされなくとも、大丈夫です

・・・・・・・私にお任せを」


私は、リオン様を抱き上げ・・・・・足から先に馬の背に乗せたのです

馬の背を跨がせたリオン様の背後に、私が乗りました



「腕が使えないと、バランスが取りにくい」
「不安定になるのですね?  では私に寄りかかって下さい・・・」

私は背後から手綱を持ちますが、ちょうどリオン様の両脇を抱える様になります


「重くないか?」
「・・・・・鳥の羽の様に軽いですよ」

さ、もっと私に寄りかかって下さい・・・

馬を動かすと今より不安定ですから


そう私が言うと、そっと・・・遠慮がちに私に寄りかかって下さいました


「では 出立します」
「ああ・・・」

そっと馬を歩かせたのですが、思いのほか衝撃が・・・・・


「あ・・・・」
「危のうございます・・・失礼します」

ぐらり、と揺れたリオン様を支えるため、手綱を片手に持ち替えた私は、リオン様のお腹に腕を回したのです


「すまない・・・ 」
「謝らなくても良いのです・・・・さ、典医寺に戻りましょう・・・痛みを取らなければ」



カポ。カポ。カポ。カポ。カポ。。。



「チャン侍医って・・・・・」
「私が、何でしょうか?」

「・・・・・私を軽々と抱き上げたな」
「きつくはなかったですか?  痛みませんでしたか?」

「ああ、大丈夫だ・・・・・でも」
「でも?」



「・・・・・逞しいんだな、チャン侍医って」
「・・・・・・・ありがとうございます」


お褒めの言葉にお礼を言った私は、リオン様のお顔を見ようと  少し前のめりになったのです


・・・・・・・・?



・・・・・・・・・・・・見間違いでしょうか?




再び、前のめりになった私の目に映ったものは・・・・・・・


頬を染めたリオン様の・・・  照れた様な微笑みでした


・・・・・・・どうして、その様な お可愛らしい顔をなさっておられるのです?

その様なお顔を見て、私は正気ではいられませんよ?

白い肌に咲いた桃色の頬は、いつも凛とされているリオン様を・・・・・まるで幼い少女のように見せるのです


早鐘のように鳴る私の鼓動を、いま脈診すれば  きっと病だと言われるでしょう



「・・・・・・はぁ」

いや、その前に・・・   息をするのを忘れてました



慌てて空気を吸い込んだ私の鼻は、直ぐ前にあるリオン様の髪の匂いを感じて・・・・・


ああ・・・思いきりこの方を、抱きしめてしまいたい・・・・・・


いや、抑えるのだ チャン・ビン

その様な狼藉を、リオン様に働いてはならぬ!



「・・・・・人をお姫様抱っこするのは慣れてるけど、私はされたことなくて・・・」
「お姫様だっこ・・・・もしや、先ほど抱き上げたことでしょうか?」


「・・・こくん」

薄桃の花弁のような頬が赤味をまし、恥ずかしいのかリオン様が俯いてしまわれました


・・・・そういえば、私が先程と同じように抱き上げるときは、リオン様が酔って寝てしまわれたときか、意識のないときでしたね


「・・・・・女のコ扱いされて、嬉しかった」
「リオン様・・・」

あなたは・・・天界におられる時から、きっと

周り中から  その豪胆な性格で頼られておられたのでは?

・・・・・頼られてばかりで、御自分が他を頼る事が  不得手なのではないですか?



「私に 頼って下さいませんか?  私では役不足かもしれませぬが・・・・・どうか」
「・・・・・こくん」


ふふ・・・恥ずかしいのですか?

真っ赤になられたリオン様は、黙って頷かれていたのです


このときのリオン様に、私は・・・私は・・・

想いが胸から溢れてしまいそうでした


あなたの体に回した腕に、力を込め・・・より一層、抱きしめてしまいました



ああ、リオン様・・・・・お慕い申しております


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リオン大好き(溺愛中)♡チャン侍医でした!!!