おまけをちょこっと( ^ω^ )v
リオンが、豹変します(笑)

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その日の夜、典医寺での仕事を終えて私は、皇宮で与えられた家へと帰るところでした

寝に帰るだけの家・・・面倒なら典医寺での自室で仮眠すれば事が足りるのですが・・・


今夜は帰るか・・・・・と、支度をしていた私の耳に、扉を叩く音が・・・

『のっく』ですね・・・  


「どうぞ」

扉を開けたのは、あなただった


「チャン侍医、少し飲まないか?」
「はい」

私の自室に入って来られたのは、リオン様でした


酒瓶を手に、椅子に座られたリオン様が 懐から杯を二つ 取り出された


「良い酒が手に入ったんだ・・・・・どうぞ」
「ありがとうございます」

ああ、良い香りですね・・・ムリョンから手に入れられたのですか?

「そうだ・・・・・乾杯」
「乾杯・・・」


くいっと杯を開けられるリオン様の杯に、私が酒を注ぐ


・・・・・何か、憂いておられるのは 分かっております

なので私は、思いきって・・・問うてみました


「何か・・御心に引っかかる事でも?」
「・・・・・・・ふふ、チャン侍医には知られてしまうな」


・・・・・ええ、いつも あなたを、あなただけを見つめておりまするゆえ、すぐに分かるのですよ


「昼間の話でな・・・・・姉上はこの世界に望まれて、ここに来た」
「ええ・・・その様に言われておられました」

「では私は、どうなのだろうか?」
「それは、どういう・・・」


「私は自ら天門をくぐり、この時代に来た」
「医仙殿を追って ですね」

「はたして世界は、私を望んだのだろうか?
もし、望まれなければ・・・・・

私はいずれ、この時代から弾き飛ばされてしまうかもしれない」


な、何を?  弾き飛ばされてしまうとは、一体どうなってしまうのですか?


「・・・・・と、考えてしまってな、寝付けなくなったんだ」
「・・・・・・お飲み下さい、もう少し」

私が注いでは 飲むリオン様に、私は酒を勧めている


「もし、もしもだが・・・・・私が突然、消えたら・・・・・シン君を、託したい・・・」
「あなたの養い子ですね」

あんなにあった耳の腫瘍も、どんどん小さく・・・今では良く触診しないと分からないほどに、回復なさいましたね


初めて御自身でなりたいと言われた、あなたや私の様な医員に・・・・・

乾いた砂が、どんどん水を吸い込む様に 知識を得ているシン君は、教え甲斐のある生徒です


「私で良ければ・・・彼を見守りたいと思います」
「よかった・・・・・」

ほっとされたのでしょう、表情が柔らかく変わられました


◇◇◇◇◇


「・・・・・・私ばかり、のんでるようだが」
「私もいただいております」

「飲みが足りないぞ!  チャン・ビン!」
「・・・・・酔われたのですか?  なんと珍しい・・・」


大きな酒瓶ではなく、りおん様が持って来られたのは、小振りな酒瓶なのです

もう空になりましたが、これくらいで酔われたのですか?


そういえば・・・・・頬が、花のように赤くなっておられる

瞳は、潤んで 私を見つめていらっしゃるし


紅い唇は、少し開いていて・・・・・艶かしい



「もう、眠られますか?   部屋までお送りいたします」
「もっと飲みたい!」

「・・・・・・では、もう少し飲まれますか?」
「飲む飲む!」

私は自室に置いてある、酒瓶を取り出し・・・空になった杯へと注いだのだった


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「・・・・・・・ふにゃ」

・・・・・・ふにゃ?    り、リオン様が  ふにゃ?

卓に頬杖をついたリオン様が、急に言われたのだが・・・・・・・

なんと 可愛らしい・・・・・

普段はキリリと鋭い眼差しも、今は・・・酒に酔い、眠そうな・・・・・


この前の酔い方と違う、あきらかに 違う!!!

今のリオン様は・・・・・ひたすらに可愛らしいのです



「んーーー・・・・・そうにゃ、これ・・・」

ごそごそ・・・と懐に手をやられた リオン様


「これ、あげるにゃ〜〜〜!」

拳を突き出されたリオン様が、私の目の前で手を開けば


・・・・・掌の上に、これは髪留め


黒に近い色合いの灰色で、筒状の髪留め

私がいつも愛用している物と、似通っている形ですね


「一目見て、チャン侍医に似合うと思ったんにゃーーー」

「私に・・・」

嬉しいです、私に似合うと・・・・・思っていただけるなど、このチャン・ビン  光栄です


「それで〜〜〜・・・・・ふふふ」
「まだ、何かあるのですか?  その様に可愛らしく笑われて・・・」


受け取った髪留めをもっと見るよう促され、見ていたのですが・・・・・横から白い手が、髪留めの後ろを返して・・・・・


・・・・・・気づけば隣にリオン様が座り、私に身体ごと擦り寄るように近づかれて


「ここ!  どこ見てる、ここだ、ここ!!!」
「あ、はい・・・・・え?」

髪留めの後ろから煌めく鎖が・・・・・・


「ブレスレットの鎖を付けたんだ!  髪につければ3重に垂れて、歩くたび揺れてキレイだと思って」

「その様な細工までされて・・・ありがとうございます

・・・・・・・一生大事にいたします」

ああ、私は今・・・・・感無量です




「・・・・・・」
「リオン様?」

急に黙られたリオン様・・・  ふと、気づけば・・・

私に髪留めの事を話すうちに、リオン様の手が私の手を掴んでおられる

顔を寄せて話されていたから、距離が・・・近い


もう少しで・・・唇を、重ねられるほどの距離・・・・・



・・・・・黙って私を見上げられているリオン様


大きな瞳が、潤んで・・・蝋燭の灯りに煌めいて・・・・・・


紅い唇は、少し開いていて・・・・・・ああ、まるで口づけを誘われておる様に・・・・・


妖しく美しい・・・・・・惚けたように見ている私の腿に、重みが・・・・


リオン様が、座って・・・・・私の膝の上に、座られている・・・・・・



「・・・・・・ふふふ、まだヒゲは ないのだな」
「髭がある方が、お好みですか?」

横向きに膝に座られたリオン様が、片手を私の肩に回して、片手を私の・・・・


私の顔に・・・・・鼻の下に、触れてこられる


「ん〜〜・・・キスには邪魔かな?」
「キス・・・それは、もしや口づ・・・・・」


「んっ・・・・・」

私は・・・・・今、夢を見ているのだろう・・・


酒に酔ったリオン様の、戯れの・・・口づけ


だが、ああ・・・・・夢のようです


私はリオン様の  しなやかな身体を抱きしめた


「・・・・・・チャン・ビンとのキス・・・・」
「はぁ・・・リオン様・・・・・」


私との『きす』は、どうなのですか?

もしや、下手なのでしょうか?   つまらないでしょうか?


「・・・・・・・好き♡  もっと♡  いっぱいしたい♡・・・・・」
「ああ・・・・リオン様、お慕い申しております」


私の膝に跨り  座り直したリオン様が、上から私に・・・・・・『きす』を・・・・・


確りと抱きしめた腕の中で、艶やかな  あなたに私は・・・・・翻弄されて おります



今だけの  夢と・・・    ひとときの夢と・・・

知りながらも、他の誰でもない自分が与えられる事に・・・・・

・・・・・・・私は震えるほど  幸せです・・・



そして、前と同じように・・・   腕の中で眠ってしまわれたリオン様を、部屋へと届けました



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翌朝、目覚められたリオン様は  昨日の事を・・・やはり、覚えてはおられませんでした


「あら、チャン侍医・・・その髪留め素敵〜〜〜♡」
「ありがとうございます」

「その鎖がキラキラしてて、すっごく綺麗よ♡」
「・・・あまり言わないで下さい、照れてしまいます」


「リオン!  おはよう〜〜・・・  どうしたの?」
「・・・・・・おはよう姉上、チャン侍医」



私は、昨日・・・  渡したのだな

チャン侍医に贈るため、細工したものの・・・渡せなくて持ち歩いていた

鎖をつけると少し女性っぽくなったから、嫌がるかと思い、渡せずにいたんだが・・・・・


良かった・・・気に入ってくれたのだな?

だから付けてくれているのだろう?


「朝ご飯〜〜♡」
「姉上、走ると危ないですよ!」

私達が住む離れに、チャン侍医が朝食を持ってきてくれたのだ

今朝は寝坊して作れなかったから・・・・・


「いただきまぁーす♡」


食べ始めた姉上に聞かれないよう、チャン侍医を部屋の端へと連れて行く


「その・・・昨日は・・・  私は何もしなかったか?」
「ええ・・・この髪留めを下さいましたが」

「それはチャン侍医に渡したかったから、いいんだ」


「すまない、記憶がないんだ・・・」
「酔ってらしたから・・・   途中で眠られたので、私が部屋までお連れしました」


〜〜〜やっぱり!  すまないチャン侍医!  面倒だっただろう?

そこら辺に転がしとけば良かったのに!


「くすくす・・・その様なこと いたしませぬ」
「はあ〜〜   どうしたんだろう、向こうじゃ酔潰れるなど した事ないのに・・・」

「それは良いのです・・・ですが、私と一つ御約束下さい」

なんだ?   チャン侍医のいつも柔らかな目が、鋭く強く私を見ている




「酒を飲むときは、私のそばだけで飲まれて下さい。

・・決して他の者と飲んではいけません!!!

・・・・・・・約束して下さいませんか?」


私はチャン侍医の初めて見る、強い態度に頷いていた


「では、お酒を飲みたくなる時は私に言って下さい。  良い酒を御用意しておきます」
「あ、ああ・・・・・頼む」

「さあ、朝餉を食べて下さい・・・」
「・・・・・・色々 ありがとう」

「どういたしまして・・・」


・・・・・覚えておられなくても、よいのです


ただ、あの様に『可愛らしく』時には『妖艶な』あなたを、他の者には見せたくなどありません


ましてや『きす』など・・・・あなたを他の者に触れさせたくはありません



・・・・・・・私の前でだけ、思う存分 乱れて下さい


私だけの知る、あなたを・・・魅せて下さいませ



あなたを、恋い慕っている  私にだけ・・・・・



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オマケです(笑)

2人の関係が少しづつ、縮まっています