今回のお話で最終回になります
私のシンイ☆ワールドを、どうぞ楽しんでくださいませ♡

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今日は天界から来られた医仙達の婚姻式の日

空は晴れ、この良き日に祝福を与えているようだ。。。



拝殿での二組同時の婚姻式など、前代未聞のことなのだが・・・

並み居る重臣達を黙らせたのは、リオンの言葉と迫力だった

そんなリオンを眺めながらウンスは、初めて心が震えた愛する相手の手を、掴んだ


「ウンス・・・」
「隊長・・・」

もう向こうに戻れなくていい・・・貴方と共にいられたら・・・・・

その覚悟を、その意味を、愛する男は噛みしめて、いっそうウンスを愛しんだ



王妃とチェ尚宮に、キ・チョルとヤンガクが花嫁二人の衣装に火花を散らしつつ、より良いものをと白熱し意見を出しあって作り上げたのは、素晴らしいものだった



今日、その衣装を着た二人が、女官達に化粧を施され、髪を整えれば・・・・・


天界から降りてきた天女が、いたのだった


ウンスは紅色の生地に、金糸で鳳凰を描いた衣装

リオンは紫紺の生地に、銀糸で龍を描いた衣装


髪には金や銀、鼈甲や琥珀、珊瑚や瑠璃などの贅沢な飾りをつけている


「・・・・・おもっ!!!」
「うぅ〜〜〜   抜いていいか?」

花嫁二人は、皆の思いが詰まった衣装も飾りも、重すぎて辛かった


よろよろとするウンスに、隙あれば髪から簪を抜こうとするリオン

女官達も王妃もチェ尚宮も、目が離せないまま婚姻式が執り行われた


なぜか貴賓席で涙を流すキ・チョルとヤンガクは、気分は花嫁の両親だった


「バッカじゃないの?」呆れるファスイン

「次は・・・」自分達のことを考えるチョヌムジャ


様々な人達の思いが、祝福を告げている


花婿は、それぞれの花嫁の横で満足気な笑みをこぼしているばかりだった



そして式が終わり、夜は宴となるのだが。。。



「ウンス、チェ・ヨン、ちょっと来てくれ」

リオンに呼ばれた二人が、そのままリオンとチャン侍医先頭のもと回廊を歩いていけば・・・・・・


近衛隊と禁軍の兵士が、ずらりと並んでいたのだった


「どうした?何事だ!」

ヨンが叫ぶも、アン・ジェはニヤニヤしているばかりで、ぽん!とヨンの肩を叩いた


「こっちの心配はするな!  楽しんでこいよ!」
「何を言っている?」


訝し気に顔をしかめるヨンに、キョトンとするウンス

その背をリオンとチャン侍医が押して、回廊を進ませる


両側を近衛隊と禁軍の兵達が並んだ回廊を進めば、先にはテマンとチュンソクがいた


そして、その背後には・・・・・・



青白い光が渦を巻いている、天門があった


「え?」
「なんだ?」

「さあ、新婚旅行に行くぞぉぉ!!!」
「お伴します」


『さあ、行くよぉ〜〜〜♡』

ソンファの楽し気な声と、背中を押されて天門に入って行ったウンスとチェヨン、押して入るリオンとチャン侍医


【 ごぉぉぉ〜〜〜  】


天門から出た4人が、目にしたのは・・・


緑の芝生に、樹々の葉が風にそよぐ広大な庭


白いテーブルと椅子がいくつも置かれ、その上に色とりどりのテーブルクロスが品良く敷かれていく様子だった


揃いの制服に身を包んだ男女が、キビキビと働く様子はまるで軍隊のように揃っている


その内の1人がリオンに気がつき、耳にかけた無線機で連絡を入れた


すると、皆が4人の前に勢揃いし、一斉に頭を下げた


「お帰りなさいませ、リオン様、ウンス様、旦那様がた」


チェヨンとチャン侍医は、目を開いて驚いているが、リオンは構わず進んでいく


「これは、どうなってるの?」

ウンスの言葉にリオンが振り向いて、その手を掴んで屋敷の方へとウンスを連れて行く


屋敷の応接室で、ふかふかのソファーにウンスを座らせたリオンは、メイドに目配せすると・・・メイドは心得たもので、頷き動いた


「どういうこと?」
「ソンファを特訓したら、好きな所に天門を出せるようになったんだ」

「ソンファが?」
「ああ・・・ああ、来て下さったようだ」



リオンの視線の先のドアが開けば・・・



「パパ!!!  ママ!!!」

ウンスが声をあげて、駆けだ・・・・両親の元へと行き、母親に抱きついた

「ウンスのご両親か!」
「ああ・・・隊長は挨拶しないとね?」


バッ!!!と立ち上がったチェヨンが、ウンスの側へとゆっくり歩み寄り、ウンスに紹介されている


ちなみにチャン侍医は、事前にこちらに来て挨拶済みだった



そして、ウンスとリオンは、今度はウェディングドレスに身を包み、現代での結婚式をしたのだった


もちろん男性陣はタキシードを決めている




そうして二組の夫婦は、高麗でも、現代でも、両親に祝福されて結婚式を挙げたのだった。。。



やがて、それぞれの夫婦に玉のような赤子が生まれても、ソンファが天門を出し向こうの世界と往き来できるようになったのだ



「ねえ、リオン・・・私ね、思い出したんだけど聞いていい?」
「なに?」

「ほら!  キ・チョルが持ってた手帳!
あれって・・・どういうこと?」
「ああ・・・・・あれね」

「それに道具!  キ・チョルの師匠の形見とか何とか言ってたでしょ?」

「私がシン君と現代に戻っている間、シン君の術後にソンファが天門が出たって騒いでね・・・」

私が様子を見に行ったら、すぐに消えそうだったんだけど・・・・・

見えた者がいてね、うるさく騒いで中に行こうとしたんだ

止めようとして、「何で邪魔するの!」って突き飛ばされてね

「もしかしてリオンだけ、天門の中に?」
「ああ・・・」

まあ、すぐにソンファが来てくれたんだが、その間に新しく買った手帳に今までの事を書いたりしてたんだ


「で、ソンファが来て帰るときに忘れて置いてきたんだ」

そのときに、確かメスとかの道具も少し置いて来てしまった


「それが巡り巡って手に入ったのね」
「ああ・・・手帳も買った時は紺色だったんだが、100年も経てば変色もするからな」


「そうだったんだ・・・・あらあら、どうちたの? おっきしたの?」

ウンスの足にヨチヨチと寄ってきた幼児が、抱きついた

「お?  起きたのか?」

リオンの足にも、幼児が縋りついている


2人とも、母になっていた



穏やかな午後。。。


典医寺には、爽やかな風が  心地よく吹いていた。。。



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ここで、このお話は完結となります。
長い間、読んでくださり感謝します♡