何か公演を観たあとは、どんな作品でも、一応必ず頭を下げて拍手するようにしていて、それは私なりの舞台に対する敬意の一つとしてなのだけど、4年目にして初めて、拍手出来ないものと出会った。
それはとっても無自覚な自己啓発の垂れ流しで、本来批評されるのは、おそらくクリエイターとしての自己否定が出来ていないところだと思うのだけれど、それはそれとして、長い目でみたら良いのかなとも思うことにして、飲み込んだ。私も自己否定の足りないところがあるから、頑張らなくては。
自分は本当にポジティブシンキングが苦手なのだなあと思った。もちろん、ポジティブシンキングは状況によっては必要なものだし、時期によってそういう時期もあると思う。
自己啓発やポジティブシンキングが悪いものではないということはとてもよく分かっている。
ただ、関係性において、ポジティブシンキング論者とポジティブシンキング信者。それが、無自覚の上にDVへと姿を変える瞬間というものがあるのだ。
それがお芝居の中で批評性を持って行なわれることなく無自覚に行なわれているということに、より一層、嫌悪感を増幅させられてしまった。途中で退出しようか迷って、作品を阻害してしまうことになるのでやめてしまったのだけど、あとで考えたら席を立って意思表示をすれば良かったとも思う。
久しぶりに自分の心を揺らしてくれるものと出会ったので、ちゃんと残しておこうと思う。自分が何に怒りを感じるか、再確認出来た。よかった。