痛さと恐怖で意識が飛んでしまいそうになるのを必死にこらえる。
「私はここで…死にます」
それを見て男たちは一歩引き下がる。
「こいつ馬鹿だ、こんな腹に刀刺した女連れて帰っても、あのおっさんは褒美をくれねぇ」
「めんどくせぇ、行こうぜ」
男たちは大将に忠義を誓ったわけではなく、雇われたのだろう。
めんどくさい事になったとその場を後にした。
咲良の血は止まらない。
― 小さな刀だけどこのままほっておけば死んでしまえるかしら…?
「…咲良、お前ほんと…馬鹿」
竹継が、ほとんど聞こえないような声で咲良に話しかける。
「母様たちもいない…。それにあなた一人だけで死なせたりしない」
これは逃げだとわかっている。
でもこんな戦いが続く世の中を1人で大好きな家族も竹継も失って生きていけるほど咲良の心は強くなかった。
「竹継…笑っているの?」
「咲良って…本当一途だな…って思って…」
「なに…それ。ずっと一途よ…。竹継もでしょ?」
「そうだな…。俺、出会えてよかったと思っているよ」
「…私も出会えてよかった」
今度はお互い嘘をついていないとわかった。
恋愛小説44~私はあなたに恋をします。~につづく☆
