ただいま〜って玄関を入っても、誰もおかえりって言ってくれない

母ちゃんはいるけど、ピアノ教室だ




そんじゃ、晩飯作るか…


冷蔵庫を見ると、あとは油で揚げるだけのカツがある

今日はトンカツか〜
キャベツも切ってあるし…
これは何だ?…お浸しか…
味噌汁は作ってないな…作ろう

豆腐とワカメの味噌汁を作った


揚げるのは姉ちゃんが帰って来てからでいいな…


それまでスマホで物件でも見るか…


おー!翔からライン来てんじゃん!


晩飯の写真付き

「今日の晩御飯はチンジャオロース弁当
なんと、半額シールと言う嬉しいおまけ付き

食べる前にシャワー行って来ます」


ふふっ…ラッキーじゃん!


「美味そう
でも、それにサラダがあればよりgood
よく噛んで食べな」


…母親か?…ふふ


さてと、物件物件


…あちゃ〜
最上階契約済みになってる

あそこ、いい場所だもんな…
駅近いし、店もいろいろあるし…

近くのマンションはどうだ?


物件に夢中で、姉ちゃんが帰って来た事に気づかなかった


「何あんた、一人暮らしでもすんの?」


「ビックリしたー!
急に声掛けんなよー」


「ただいまって言ったわよ

…で、一人暮らしすんの?」


「考え中」


「ふ〜ん

それより、ご飯は?」


「そうだ…
カツ揚げるだけになってる
今揚げるから…」


「よろしくー!」




夕食後、翔に最上階が契約済みになってる事を教えた


「まじ?なんだよ…誰だよ…」


「だから近くを探してみる」


「俺もいろいろ見てみるよ」


「うん。ありがとう」






木曜の夜


「智、明日金曜日だよ」


「そうだね、金曜日だね」


「あの…覚えてる?」


「うん。カレーでしょ?」


「やったー、覚えててくれた…」


「覚えてるよ。泊まっていいんだよね?」


「もちろんもちろん!なんならずっとでもいいよ!」


「それ、同棲じゃん!ふふ…
でも、それもいいかも…」


「ん?何?もう一回言って?」


「聞こえてる癖に」


「あはは…
明日、楽しみだね」


「うん、楽しみ

翔、好きだよ」


「俺も!」



「じゃあ、明日…」


「うん

おやすみ」


「おやすみ」