気持ちのいい目覚め

横を向けば、翔がこっちを向いて眠ってる

肩が出てるよ

布団を掛け直して、僕は、そーっと布団から出た

鈍い腰の痛み
お尻に残る挟まり感
胸の先の赤み

(///ω///) 想い出したら顔が熱くなった



ちょっとして翔くんが起きて来た


「智、おはよう。寝てて良かったのに…辛くない?」


「んふ、おはよ

早くは動けないけど大丈夫

あ、シーツ乾いてた …ありがとう」


「ううん

朝飯、俺がやるよ。座ってな。パンがいい?」


「うん。はちみつ付けて食べたい」


「オッケイ!玉子も焼いちゃうよ」


愛のこもった朝食は、凄く美味しかった


「片付けるから、ソファで休んでな。ベット行ってもいいし…」


「ベットに行ったら寝ちゃうから、ソファでテレビ観てる」


…ソファでも寝ちゃうんだけどね


ウトウトコックン

頭を撫でられ、パッて、目を開けた

翔くんは笑ってた


翔くんの横に座って、一緒にメールを読んだ

またウエディングフォトの依頼が来てる。3件も

それぞれ内容を読み、お引き受けのメールを送った

その中の1件は特別だった

僕達みたいな男同士。年は40才と38才
交際10年でやっと親に認められた
法的な事はもう済んでる。式は挙げない。だけど写真は撮りたい。2人の思い出の地で撮りたい。それは告白した場所。初めてキスをした場所
観覧車のてっぺんだ


「智、俺…あの…」


「わかってるよ。高所恐怖症でしょ!
僕が撮るから」


「ありがとう🙏」


「はい!ふふ」





撮影当日 天気は晴れ

現地集合

余裕を持って出発したから、待ち合わせ時間の30分前に到着

チケット売り場の前で2人を待った


「観覧車、いつぶりだろう?
高校の時、友達と乗ったっきりだから5年ぶりだ!
翔くんは?」


「俺?…中2だったかな?ずっと床を見てた
高いし、揺れてるし、まじ怖かった」


「景色いいのに…ふふ…
…あっ、来たんじゃない?あの2人。決めてるね〜」


「多分そうだ」



挨拶をして、念入りに打ち合わせ
2人の希望通り撮りましょう

先ずは2人で乗ってもらって、外からパシャパシャ
次に、一緒に乗って(翔くんは下でお留守番)
パシャパシャ
てっぺんで見つめ合ってる所をパシャパシャ
もう一周
てっぺんで指輪をはめてるシーンをパシャパシャ



最後にバラのアーチの前で、パシャパシャ
幸せいっぱいの笑顔だった



「最後の写真、あれ、凄い良かったね」


「俺も自分で撮って思った…

なんか、感動したな…」


「うん。てっぺんで指輪の時は、うるっときた…

だって10年だよ…認めて貰うまで…

幸せになって貰いたいな〜」


「そうだね」

智…
俺だって、智を幸せにしたい
2人で幸せになりたい


「翔くん?翔くん?…信号青だよ」


「あっ、ごめん…


…なあ智?」


「ん?」


「…ごめん
やっぱ家に着いたら話すよ」


「…うん」


翔くんは微笑んでた