雷が遠ざかって、雨も土砂降りから小降りになった


「はあ…やっと遠くへ行った…」


「はっはっ…」


「笑わないでよ。雷は苦手なんだから…」


「確かに怖いけどな…


よし、行くか…」


「はい」



仕事は昼前に終わった


「思ったより早く終わったな」


「ね。」


「久しぶりにジムでも行こうな…」


「うん。行って来なよ
僕はどうしようかな…ぶらぶら散歩でもしようかな…」


「それもいいな…
…でも俺はジムに行く」


「うん」


スタッフさんから貰った弁当を食べて、僕は散歩に出かけた


「いってきまーす」


「いってらー。気を付けてな」


一応、カメラを持って出た。面白いのがあったら撮ろうと思って…

朝の雨と雷が嘘のようだ
いい天気だな…

この店、可愛い…雑貨屋だ。へ〜

ここ何屋だ?…うどん屋だ。へ〜、美味そう。今度翔くんと来てみよう

歩くのも偶にはいいな〜




翔くんは…


🏋️‍♀️おりゃ〜 
 
🏃‍♂️‍➡️ 音楽聴きながらだと走れるな…
もう少し傾斜をつけるか…


ふう…疲れた…

シャワー浴びて帰るか…


ふう…さっぱりした…


智はどうしてるかな?

車に移動してラインしてみた

「今から帰るけど、智は今どこ?」




ポケットがブルった

スマホを出して見ると翔くんからラインだった

「今ね、◯△□公園。なんかロケしてるよ
ちょっと離れてるから誰だかわかんないけど

じゃあ、僕も帰るよ。1時間くらいかかるかも」


◯△□公園…近いじゃん


「智、そこで待ってて。ジムから近いから行くよ。5分くらいで着くと思う」


「ありがとう。自販機の所で待ってる」


ラッキー!

でも、ロケしてるの誰だろう?
見に行きたいけど…
いいや別に…翔くんの方が大事



自販機の所に来た

もう来るな…

あっ、来た!
僕は手を振った


「待った?」


「ううん」


「智、後ろ…ロケ班が来たよ
…アイドルだ。人凄いな…」


「ほんとだ…なんかの収録だね」


その時…

ドン…
ガシャ 

「あっ…痛っ…」


左側を女の子に思いっきり体当たりされた


「ちょっ…智?大丈夫か?」

急いで車から降りた


女の子 「すいません。大丈夫ですか?」


智 「痛っ…カメラ…翔くん、カメラは?」


翔 「はっ…」


女の子 「すいません。どうしよう…」


勢いでカメラがブロック塀にぶつかってしまった


翔 「…あちゃー

…智は大丈夫か?」


智 「…肩と…うっ…腕が痛い…それよりカメラは?」


翔 「…欠けてる…ダメだ…シャッター押せない。あー、レンズ回せない…あちゃー」


智 「うそっ…

…えっ…まじか…どうしよう…直せるかな?」


翔 「どうかな?」


女の子 「すいません。どうしたらいいですか?」


翔 「…彼ね、カメラマンなんだよ。これで仕事してるの。…それより、君は大丈夫?怪我は?」


女の子 「私は大丈夫です。あの、弁償します。お母さんに電話するので待って下さい」


女の子は電話をかけた