5日後


「(ご苦労様でーす)


…翔くん、宅配きたよー!」

📦

「待ってました! どれどれ!」

ビリッて、ガムテープを剥がし、箱を開けた


「何頼んだの?」


「ふふ〜ん…何でしょう!」


「…ケース?…名刺?…名刺だ!」


「ピンポーン 名刺です!
見てよ、なんて書いてある?」


「株式会社プレイフル
代表・カメラマン 櫻井翔

…えっ?翔くん、いつの間に?」


「そう…
ごめんな、黙ってて…俺、会社作ったんだ!
1人で帰らせたり、午前中出かけたりしてたのは、この為なんだ。いろいろ手続きしないといけなかったから…

智、前に言ってたよな?従業員第1号になるって?
それって、今はどうなの?まだそう思ってる?」


「思ってるよ。僕は、翔くんと一緒に仕事がしたいから」


「本当に?」


「本当に!」


「へへ〜!そうだと思って、智の名刺も作っちゃいましたー。もう一つの袋開けてみて?」


「うん…」


「何て書いてある?」


「えっ…まじで?
株式会社プレイフル カメラマン 大野智
まじ?すげ〜」


「智は、俺の会社の社員第1号です!」


「うん!翔くんは社長だ!ふふ…
社長、よろしくお願いします!」


「はい!はっはっはっ…

智にも、何枚か書いてもらう書類があるからお願いね!」


「はい!」


「良かった〜
これで、ちゃんと挨拶出来る!
智…
明日は何もない。だから、智の家に行かない?」


「…うん。…連絡してみる」


📱〜

あ、もしもし母ちゃん?智だけど…
あのさ、明日なんだけど、帰ろうかと思って…

…うん…夕方行って、父ちゃんの帰りを待つよ…
櫻井さんも一緒に…

…えっ、そうなの?…わかった
…うん、じゃあ、そうする…

…じゃあ、明日ね…バイバイ



「お母さん、何て?」


「父ちゃん、明日休みだって。ここんとこ、従業員に忙しくさせちゃったから、明日と明後日休みにしたんだって!だから、お昼前に来てだって!」


「えっ?智んち、会社やってるの?」


「うん。言ってなかったっけ?」


「初見なんだけど…何の会社?」


「まぁ…税理士事務所的な…」


「へえ〜、すげ〜」


「従業員10人位の小さな会社だよ…


…でね、母ちゃんが翔くんにって…

父ちゃんが翔くんにいろいろ聞くかもって…」


「うん、いいよ。聞かれた事はちゃんと答えるから」


「…うん。…もし…嫌な事言われたら…帰ろうね…
僕の事を悪く言う分には構わない…
でも、翔くんを悪く言われるのは嫌だから…」


「大丈夫、言わないよ
だって、智の事、認めてるんだから。俺の事、悪く言うわけないよ」


「うん」


「智、俺は何の心配もしてないからな」


「うん

…翔くん、明日よろしくお願いします」


「はい!


…ねえ、お腹空いたよ…
今日のご飯何?」


「玉子とほうれん草とトマトをバターで炒めるのと、チンするシュウマイ。僕ね、シュウマイ好きなんだ〜」


「そうだね、好きだね」


「作ってる間に、風呂入って来たら?」


「そうだね…入って来ちゃうか…」


本当は一緒に入りたいんだけど…

最近、何もしてない…

それは俺のせいだけど…

実はこの前、酔った勢いでやって、ローションを適当にしてしまった。それが少な過ぎて、智に痛い思いをさせてしまった

怒ってなかったけど、暫くはダメって言われて…

でも、そろそろどうかな〜って…

もう一回謝って、お願いしてみるか…

智だって、そろそろしたい筈だから