今日は休み

翔くんは大学時代の友達のピアノの発表会に行くって言って出掛けた

何しようかな…

って、ソファで伸び〜をしてたら、スマホが鳴った

誰だ?翔くんか?……姉ちゃんからだ…



「もしもし」


「智?久しぶり〜。今、大丈夫?」


「うん。今日休みだから」


「休み?…ならさ、会ってお昼一緒に食べようよ」


「えっ…いいけど…姉ちゃんだけだよね?」


「そうよ。
会ってから話すけど、お父さん、最近…元気なくて…
大好きなお酒も、飲まなくなってね…
お母さんの話も聞いてるんだか聞いてないんだか…
お母さん、凄い心配してる…

詳しくは会って話すよ。

・・・駅で降りて直ぐの鮫島カフェに来て!
近いでしょ?」


「まあ…じゃあ支度して行くから」


「うん。じゃあ、あとでねー」



…父ちゃん

僕が出て行くまでは元気だった…

大好きな酒を飲まないって…
どっか悪いのか…

…僕のせいだ…
大学辞めて、写真家になるって言ったから…
それで、余計な心配して…今になって…

どうしよう…僕のせいで父ちゃん死んだら…


バスに乗って、駅に着いた

・・・駅まで5駅。時間にすると15分あれば着く

父ちゃんと遊んでた頃を思い出してた



着いた


えーっと…鮫島カフェ、どこだ?

スマホで検索

…お、あった!パン屋と並んでるんだ…へ〜。ハピネスベーカリーだって!へ〜可愛い

入り口はこっちか…


「智!」

あ、姉ちゃん
変わんねーな…


「姉ちゃん、久しぶり…」


「そうね。凄い久しぶり。
まあ、元気そうで良かった!
注文行こう」


僕は、スープカレーセットにした。人気No.1だって!

姉ちゃんは、ミネストローネのセット



「智、ポスター見たよ!頑張ってるじゃない…
…櫻井さんの所に行って良かったわね!
こう言っちゃなんだけど、長野さんの所にいたら、こうなってなかったと思う…わからないけどね」


「うん。…それはそう思う。櫻井さんは、いろんな事を教えてくれる。させてもくれる。毎日が新鮮なんだ。…今度、1人でやる仕事があるんだ!小さな仕事だけど…自分からやりたいって言ったら、やってごらん。って…

小さな仕事でも、沢山こなして、大野智って名前を知って貰って、いつか櫻井さんみたいになりたいんだ」


「いいんじゃない。応援する。って、ずっと応援してるんだからね!」


「うん。ありがとう…」


店員 「お待たせしましたー。ごゆっくりどうぞ!」


「凄いな、スパイスの香り…うまそー!
いただきまーす」


「いただきます。…うん。パン美味しい…」


「…ほんとだ!隣のパン屋だよねこれ?
帰りに買って帰ろう…」


「…智、お父さんの話なんだけど…」



僕は食べながら姉ちゃんの話を聞いた